読書ときどき音楽も#45

「マイ・ブロークン・マリコ」平庫ワカ(KADOKAWA)

 話題になっていたので気になってはいるけれど買わない本も割とある。この本もそのひとつで、敬遠していた理由は絵柄が少し苦手かもと食わず嫌いしていたからで、リアル本屋で物色するのと同じぐらい衝動買いしがちなKindleセールで上がっていたので迷わずポチる。
 やはり絵柄に先入観はあったものの、読みだすとすいすい物語に引き込まれる。やはり関係性の深い人に先に死なれると事故や病気でもきついのに、それから自分から選んだものだと…立ち直れるかが不安になる。作中のマリコは不幸な人生だけれど悲しんでくれる友がいるのがうらやましい。若いころから友はいないが、いい年こいて作り方が分からないのも問題かなと少し反省。中編作品だけれど、かえってこの短さだから余韻が凄い。同時収録されていた短編も不思議な味わい。本の世界でも食わず嫌いはダメだなと再度反省。さ、次はどの“敬遠本”にチャレンジしてみるか。

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