たのしい記 #8

 学校を休んだ。
休んだ理由も休むこと自体も全然大したことじゃないのは分かっている。ちょっと、疲れたから。自分を休んでみたかった、とかくっせえことを言ってみる。
 
 動き出したのは昼の2時過ぎになる。それまではダウ90000の公演の台本読んだり(面白い)マイケルジャクソンの有名曲ばっかり聴いたり(かっこいい)していた。
ふっと体が動きだして、そろそろかと思い自転車に乗ってみる。そこからは軽いこと軽いこと、どこにでも行けるような気だけした。実際は近くの河川敷を何となしに目指して漕いでいた。
 一級(多分)河川のスーパー堤防の上っ側まで上がって、その道を行こうとしたとき、言っても田舎だし草すごいから当たり前なのだが、ガサガサっと何かが動いて、普通にびっくりした。何が出るぞと緊迫する。出てきた。イタチ。ほんとにいるんだ。2匹いる。この時点では自転車を押して行こうとしていた。ノスタルジックに酔いながらの、疲れと諦めから出た結果だ。
 足と自転車を前にしようとした時、待ったの声が聞こえた。この前の地学でイタチは凶暴だと習ったぞ。なんで地学で生物やってたんだろ。イタチはじっとこちらを見ているようだ。
一度後ろに下がって自転車に跨る。スピード出せば大丈夫。そう信じた。大丈夫じゃない訳ないのだけれど、1つステージをクリアしたような気持ちになった。
今日を日記にしようと決めたのはこの瞬間だった。
 
 あとは特に面白くない。ぽけーっと時間が流れる感じで、河川敷を通り、程よいところで鴨と鷺を眺め、河川敷を通り、程よいところで近くの公園を経由し道路に戻った。ポスティングのバイトで歩き回った町を突っ切る。町の雰囲気しか覚えてなかった。全然懐かしくなかった。
 計2時間、最寄りから2駅も離れない、大きい旅だった。帰りにスーパーで、なけなしの350円を鶏の炭火焼に変えて帰った。水飲んでなかった。ちっちゃい虫がどこにでもめちゃくちゃいた。

 今日の目標は勉強しない、だったのだが、過ごして気づいた。なんか、勉強しないは無限に出来そうだ。最近のどっか腑抜けた感の根本からの解決を図っていたのに、がっかり。絶望、は強すぎるかもしれない。
 ダウの蓮見さんが高3に作った劇を(一瞬だけ)観た。すごい。その高校を調べた。偏差値同じだった。親近感を勝手ながら抱かせてもらった。
 
 モチベーションがどこから来るかわかんないけど、明日学校行こうと思った。 

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