付加価値を創造する

こんにちは😃コッシーと申します。  

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

さて、先日うちのデイサービスに訪れた時のお話です。

数人のスタッフが一生懸命作業をしておりました。

何を一生懸命やっているのかと興味深く見てみると下の画像のような短いビニール紐同士を何個も結び長いビニール紐を作っているようでした。

画像1

どうやら、リネンのタオルをまとめるために使われていたビニール紐をご利用者の作品作りの素材として再利用するとのことでした。

そのために数人のスタッフが手分けをし、時間をかけて一生懸命作業をしているとのことでした。

正直、(100均で買った方が早くない?)と思いました。

おそらく100均にはいろんな種類のビニール紐が売っていますし、数人のスタッフが時間をかけて作業する人件費を考えたら、手間もコスト的にもそっちの方が遥かに良いと思いました。

しかし一生懸命作業をしているスタッフに水を差すような事は言いたくありまりせん。でも明らかに無駄な事をしています。

どうしようかな、と思っていたところ、あるベテランスタッフがニヤニヤしながら声をかけてくれました。

「今、100均で買えばいいのにって思いましたよね?(笑)」

僕の心を完全に読まれて驚きましたが、詳しく話を聞くとそんな事はみんな分かって作業しているとのことでした。

いちいち短いビニール紐を何本も結んで長い紐を作るよりも100均でビニール紐を買ってきた方が手間もコストもかからない事は当然分かっており(そりゃそうだ)、どうやらこの作業には他に意味があるみたいでした。

ご利用者に市販のビニール紐を渡して作業をしてもらうよりも、あえてスタッフが手間をかけて作った長いビニール紐を渡す方が、ご利用者の作品作りに対する意欲や思い入れが全然違うとのことでした。

「これ私たちが一生懸命結んで作ったビニール紐だよ。これで良い作品作ってね」と声をかけると、多くのご利用者がそれを意気に感じとても頑張って作品を作ってくれるそうです。

作品作りはご利用者のリハビリ目的でしていただく事が多く、明らかにスタッフが作ったビニール紐を使用した方がリハビリ効果は大きいということでした。

つまり、作品作りの本来の目的を考えた時に、スタッフは全然無駄な事をしているわけではなく、むしろ大正解の動きをしていることになります。

この話を聞いて、「100均で買えばいいのになー」なんて浅はかに思っていた僕をぶん殴ってやりたい気持ちになりました。とんだ大馬鹿野郎です。こんなヤツは統括責任者を辞めた方がいいです。ウソです。頑張ります。


このように外から見ると一見無駄に見える作業でも、実は大きな付加価値を生んでいる事があります。

短絡的に物事を見るのではなく、思慮深く考える必要があると思わせてくれたありがたい一件でした。

(「100均で買えばいいじゃん」って言わなくて本当に良かった)

現場からは以上です。それではまた。

コッシー



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