ヘビヘビパニック
入居者から「ドクソウガンが欲しい」と言われましたが、そんな体に悪そうな薬なんてあるわけないだろ、と思っていましたが普通にありました。
しかもめちゃくちゃ効き目のありそうな薬でした。
こんにちは、コッシーです。
さて、昔から蛇は縁起が良い物とされており、蛇の夢を見ると運気が上がると言われています。また脱皮した蛇の皮を財布に入れておくとお金が貯まるとも言われています。
さらに龍の化身や神様の使いとも考えられてるほど神聖な動物であり、遭遇するだけでも幸運が訪れるそうです。
むげに傷つけたり殺したりすると逆に運気が下がると言われ、遭遇した際には驚いて変に騒ぎ立てるような事はせず、上手く逃がしたりするのが良いと言われています。
しかし幼少期には蛇の禍々しい出で立ちから忌み嫌い、学校帰りなどに蛇を見つけようものなら、一同大騒ぎで蛇を追いかけたり棒などでつついたり叩いたりしていたように思えます。罰当たりです。完全に運気が下がっております。
小学4年生くらいの頃、友人たちと川で遊んでいたら上流からロープがなかなかの速さで流れてきました。だんだんと近づくにつれてそれがロープではなく蛇がクネクネと泳いでいることに気付きました。
蛇ってああやって泳ぐんだぁ…なんて悠長な事を考える暇もなく、その場にいた全員急いで逃げました。知ってます?泳ぐ蛇ってすんごく怖いんですよ。
そんな少年時代にはたまに遭遇していた蛇も大人になるにつれて見る機会は次第に減り、ここ数年は全く蛇を見かけることはありませんでした。
そんな蛇にあんなカタチで久しぶりに会う事になるとは予想だにしていませんでした。
うちの施設のリフト車の駐車場の隣に古い民家がありました。残念ながら昨年末に家主の方が亡くなられ、解体が決定しておりましたが、コロナウイルスの影響から延期になっており、ようやく先日から取り壊し工事が始まりました。
解体の作業員は全て外国の方で、4人ほどおりましたがきちんと挨拶もされるとても良い方ばかりでした。
そんなある日、作業員の1人がうちの施設に突然訪れ、「クルマニヘビイルヨ」と言われました。
何を言っているのかよく分からず、「え?何て?」と聞き返しても、「クルマ、ヘビイル」としか言いません。向こうも話が通じずもどかしく思ったのか、「イイカラキテ!」と僕を駐車場まで連れていきました。
駐車場に着くと他の作業員の方達がうちのリフト車を囲んでいます。僕に気付くと「コレミテ!」と車内を指さします。車内を覗き込むとそこには細長いロープ上のモノが後部座席に鎮座しておりました。
呼びに来た作業員を見ると、ニヤっと笑い「クルマ、ヘビイタデショ」と言いました。
ああ、ロープじゃなくてヘビね。良く見るとクネクネ動いてるもんなーってバカ!!なんでリフト車にヘビがいるんだよ!!
慣れないノリツッコミをしている場合ではなく緊急事態です。リフト車はこの後利用者を送迎するために使用するため当然そのままにしておくわけには行きません。でもどうやって追い出したらいいのでしょう。捕まえる?いや下手したら噛まれる。笛を吹いて誘導する?いやレッドスネークじゃあるまいし。
1人テンパっていると、作業員の方が僕の肩をポンと叩いて、「マカセテ」と言い、「ミンナ、グローブツケロ!」「OK!」と言い合うとグローブを装着しゴミを集める金具のホウキと大きな袋を持ってきました。え…頼もしい…
「カギアケテ!」との指示を受け、リフト車のロックを外します。
1人がリフト車の扉を開け、1人が金具のホウキでヘビを引きずり出し、1人が棒でヘビを押さえつけ、最後の1人がヘビの口を掴みます。
「コレデダイジョウブヨ」と笑う作業員の方達はまるでアベンジャーズを見ているようでした。か、かっこいい!!
どうやらヘビは古民家の中にいたみたいで、取り壊しをしたため家から出てきてうちのリフト車が開いたタイミングで潜り込んだみたいでした。いや奇跡すぎるやろ。
そんな奇跡のヘビがこちらになります。
※ヘビが苦手な方は注意してください。
でかい!!こええええええ!!!!
ヘビは袋に入れて作業員が持ち帰っていきました。どうするのかな?
でも気づかずにそのままだったと思うと本当に背筋が凍ります。教えてくれてめちゃくちゃ感謝しています!!ありがとうアベンジャーズ!!
おそらく広い全国を探してもヘビが出てきたリフト車は無いでしょう。そんなリフト車を輩出したうちの施設に幸運が訪れるのは間違いないと思われますが、もう幸運は間に合っておりますので、今後うちには迷い込んでいただかなくて結構です。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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