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どうなる?介護報酬改定

こんにちは😃コッシーと申します。

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

さて、3年一度の介護報酬の改定が令和3年4月に迫っている事は周知の事実だと思いますが、その内容を検討する会、いわゆる介護給付費分科会の会議内容が公開されている事はご存知でしょうか。

議題だけでなく、提出された資料、そして議事録まで事細かに記載がされており、どんな事について誰がどんな風に話し合ったかが詳細に分かるようになっています。

大きなお世話かもしれませんが、介護事業の経営者や管理を任されている方などはご一読された方が良いと思います。

次回の介護報酬がどのように改定されるかの方向性が読み取れ、自身の事業の運営方針などを検討する本当に良い材料になると思いますのでお勧めです。

大きなお世話ついでに本日の記事では、現時点で僕が分かる範囲でどのような方向性で改定が行われてるかを簡単簡潔に解説させていただきます。

その内容をご覧いただき「たまにはやるじゃん」と思っていただけらとても嬉しく思いますし、『スキ』なんていただけたなら僕も好きになります。

こう見えてやる時はやる男なので期待してください。

ただ毎回申し上げておりますが、あくまで『僕が思う』だけですので、たとえそれが間違っていたとしても責任は負いかねますので予めご了承ください。

それでは張り切っていきましょう!!


【アウトカム評価の重要性】

現在の報酬改定では、ご利用者が頑張ってリハビリなどを行い、介護度が改善した場合(例えば要介護3→要介護1など)、逆に報酬が減ってしまいます。さらにそのアウトカムを評価する加算がかなり低く設定されているため、その辺りの介護事業所の頑張りが報酬に繋がっておりません。

適切なリハビリや機能訓練などで介護度が改善された場合やADLが維持向上出来た場合には何かしらの加算やインセンティブが設定される可能性が高いと思います。

今までのように介護度が高い利用者を受け入れる経営から、より中身が問われる時代に変わっていくのではないでしょうか。


【人材確保と定着対策】

今後の後期高齢者の急増と生産年齢人口の急減により介護人材の不足が予想されます。

既存の処遇改善加算に加え特定処遇改善加算が令和1年10月に新設されましたが、人材不足の解消にはまだ十分とは言えず、介護職の給与や待遇の改善が必須だと思われます。

これに関しては、おそらく幅広い範囲での改善ではなく、技能スキルに特化した改善が行られるのではないかと思っています。

具体的には、介護福祉士の割合などで報酬を設定、もしくは新たな加算などが新設される可能性があると思っています。

現在、通所介護には『サービス提供体制加算』という介護福祉士の割合に応じて算定できる加算があります。

今後訪問介護などでも、例えば介護福祉士が行う身体介護とヘルパー2級の方が行う身体介護などで単位数が変わってくるように思えます。

そうなると事業所としては当然介護福祉士に対してより高い賃金を払うわけで、必然的に介護者は介護福祉士の資格を取得しようとします。そして全体的なスキルアップがおのずと図られるわけです。そういう算段ではないかと予想しております。

ご存知の通り、介護福祉士の資格を取得しようと思ったら実務者研修を受講しなければいけません。

来年は実務者研修の申し込みが殺到するかもしれないので、今から職員の方々へ受講するよう促しても良いかもしれません。


【ロボット、ICTの活用】

上の人材不足にも関わってきますが、介護ロボットやICTの活用は今後介護事業にとって絶対に考えていかないといけない課題です。

現在でも既に導入等に関する支援金などはありますが、その部分が拡充される事は間違いないと思います。

支援金だけでなく、次回の介護報酬改定には加算などが盛り込まれる可能性が十分にあると思っています。

それくらいロボットとICTの導入は必須なのではないでしょうか。

具体的にはケアマネージャー達はAIの活用が必須になると思います。

AIを活用することで効率化を図り、一人一人の報酬単価を下げて、現在の担当できる利用者の限度人数を広げるのではないかと思っています。

既に検証等が行われていると思いますので、居宅介護支援事業所を運営しているところは要チェックしてみてください。

他にもコロナウイルスの関係でリモートに関する報酬が新設される可能性も言及されています。

いずれにせよ、事業所としてこの部分は導入検討が必要だと思われます。


【新型コロナウイルスや災害等の対応】

前回の介護報酬改定の際に、次回は大幅な減収となると多くの方が言われていました。ちなみに僕もそう思っていました。基本報酬は下がり、加算などで補填されるのかなと思っていました。

しかし今年誰も想定していなかった新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるい、多くの介護事業者がその予防対策等に苦慮しております。

その事を踏まえると安易に報酬を下げてしまうと閉鎖する事業所が数多く出てしまう可能性がありますので、おそらくそこまで下がる事はないかなと今は思っております。

さらに感染予防対策などでいつも以上に負担や経費がかかっていることから、一定の水準を満たす事業所には新たに加算等が取得できるようになるかもしれません。

いずれにせよ、コロナウイルスは収束どころか拡大を続けてしまっておりますので、感染拡大を防ぐためにも報酬等で事業所を支援する必要はあると思います。


長々と講釈いたしましたが、今回はこれくらいにさせていただきます。

もっと詳しく知りたい方は全部介護給付費分科会のページに記載されていますので、是非お読みください。

今後また新たな情報が追加されていくと思われますので、次回以降は各事業がどのような方向性になるのか、そしてうちの事業所はどういう施策を講じていくのかをより具体的に説明させていただけたらと思っております。

今回の僕の拙い解説が皆様のお役に立てたのなら本望です。


現場からは以上です。それではまた

コッシー

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