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息子が泣いた日

背中の手が届かない部分を掻く道具を【孫の手】って言うので、耳掻きも【孫の指】って言えばいいのにね、ってスタッフに言ったらドン引きされました。

こんにちは、コッシーです。


さて、ノー友の真咲ともかさんがある利用者との出会いから別れまでを綴った記事を書かれていました。

詳細は記事を読んでいただきたいのですが、僕はもう完全に利用者の親目線で読んでしまい、職場にいながら涙腺が崩壊してしまいました。

「あれ?なんか泣いてます?」というスタッフの声に「いや花粉症でさー(汗)」と何とかごまかしました。#初めて花粉症になって良かったと思った

本当に胸がジーンとなる記事だと思いますので、是非ご一読ください。

そんな真咲さんの記事を読んで、息子のあるお話を思い出しましたので今日の記事はそんな思い出話を書きたいと思います。


息子が保育園の時のお話です。

うちの息子は親の僕から見ても本当に大人しく手がかかりません。障害のせいか感情表現が苦手で癇癪を起こすこともめったにありません。

だからと言って無表情というわけではなく、嬉しい時にははにかんで笑いますし、おもちゃを取られたりして悲しい時はそっと涙を流します。

ちなみに普段ほとんど怒らない息子が声を荒げて怒る時は大好きなじゃがポックルを僕につまみ食いされた時です。ビックリするほど怒ります。まぁそこも可愛いんですけどね(照)。#親バカでバカ親です

息子は手がかからない上に顔がめちゃくちゃ可愛いので(超独断)、年少の時の担任の先生はとても可愛がってくれました。毎日会うたびに「○○君、可愛いね~!」と言ってくれて、保育園での可愛いエピソードをいつも教えてくれました。

親の僕らが、ちょっと贔屓しすぎでは…と思うほど年少の時の担任の先生は可愛がってくれました。

それと対照的に年中の時の担任の先生は普通でした。

今考えるとそれが当たり前なんですが、年少の時の先生があまりに可愛がってくれたので、僕らは何だか物足りなく、何なら「ちょっと冷たい人だな」くらいに思ってしまっていました。

ちょうど同時期に放課後デイの担当がめちゃくちゃ良い先生に代わったため、僕らは保育園の先生ではなく放課後デイの先生に息子のことをいろいろと相談していました。

親がそういう態度ですから多分担任の先生はやりにくかったと思います。結局そのまま打ち解けることなく息子は年長になり担任も代わりました。年中の時の先生とはそれから特に接触もなく月日は流れ、卒園の日を迎えました。

息子は今日で保育園に行くのが最後という認識はない様子で普段通りでした。

卒園式、教室でのお別れ会が終わり、中庭で撮影会が行われました。先生達が全員外に出ており、いろんな保護者から記念撮影を頼まれています。

僕らもせっかくだからと息子がお世話になった先生と息子と一緒に撮影させてもらいました。年少の時の担任の先生と副担任の先生の撮影を終え、そして年中の担任の先生にもお願いをしました。

先生は快く承諾をしてくれたばかりか、息子との思い出話を聞かせてくれました。

「本当に○○君は大人しくて全く手がかかりませんでした。」と当時は見たことないような笑顔で話されます。

「年中さんの頃、〇〇君はよく私の顎をチョップしてたんですよ~失礼しちゃいますよね~(笑)」

そう笑う先生のところに息子がチョコチョコ近づいていきました。

「どうしたの?○○君」と先生が息子の位置まで屈むと息子が先生の顎にチョップしました。

チョップというよりも手のひらを軽く顎に当てる程度でしたが、息子の手が先生の顎に当たった瞬間、先生が号泣しました。

声を漏らさないように口に手を当てていましたが、目からは大粒の涙がとめどなく流れていました。

急に先生が泣きだしたので、息子もびっくりしたのか悲しくなったのか分りませんが、一緒になって泣き出してしまいました。

先生が号泣して、息子も泣き出してしまい僕らもどうしたらいいかオロオロしていると、平静を取り戻した先生が「急にすみませんでした…」と泣いてしまった理由を教えてくれました。

「実は障害のお子さんを担任するのは○○君が初めてだったんです。不安いっぱいでいろんな先輩先生に相談した時に、『その子ばかりに気を向けて他の児童をおろそかにしちゃダメだよ。普通に接するのが1番だよ』と言われて、逆にそのことを意識しすぎてもしかしたら○○君に冷たく接してしまっていたかもしれません。

でもどんな時も○○君は代わらない態度で私の顎をチョップしてくれました(笑)。その事で私は本当に救われました。

1年経ちもう忘れてると思っていましたが、覚えてくれていたことに本当に感動しました。ありがとね○○君。」

あとで放課後デイの担当の方に教えてもらったのですが、実は年中の担任の先生が1番息子の状況を伝えてくれていたとのことでした。


僕らは先生と息子の表面的な部分しか見ておらず、それだけで「あの先生はなんか冷たいなぁ」と判断をしてしまっていました。しかし、児童のために涙を流せる先生が冷たいわけありませんし、お世話してもらった息子本人が先生とのやり取りを覚えていているくらいです。

そもそも保育園や幼稚園の先生になった人は子供を好きな人に違いありません。そんな良い先生の本質を全く見ていなかったことに夫婦揃って大反省しました。


息子はこれからもいろいろな方にお世話になると思います。その時に一時の感情や表面的な部分だけに捉われず、本質を見極めたいと思っています。児童福祉の仕事に従事する人に悪い人はいないという前提で接していきたいと思っています。

だから、今の担任先生とは本当にいろいろと価値観が合わないですが(笑)、きっと『子供のために』という想いは一緒だと思いますので、先生を信頼して息子の成長を見守っていきたいと思います。

そういう風に思わせてくれたあの担任の先生に本当に感謝しています。

そしてこのことを思い出せてくれた真咲さんに感謝です。


それではまた。

コッシー


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