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こんな役人が好き

今日から10月が始まります。大好きな月見バーガーが終わってしまったかと思ってたらまだやってるみたいで、「まだやるのか、しつこいな」と思ってしまいました。#好きじゃなかったんかい

こんにちは、コッシーです。


さて、うちの会社は数年前より市から委託を受け、市営住宅に住んでいる独居の高齢者宅へ1週間に1度訪問して安否確認をするという仕事をしています。

市役所でその事業を担当されていた方がSさんという男性職員だったのですが、Sさんは『ザ・役人』という感じの方で本当に融通が利かない人でした。

Sさんに訪問内容をまとめた資料を月に1度提出をするのですが、ある時不備があったとのことでSさんから連絡をもらいました。

些細な間違いでしたが、訂正し再提出をして欲しいと言われました。こちらのミスになりますのですぐに訂正し市役所に伺い資料を再提出をしました。

ほどなくしてまたSさんから連絡がありました。今度は別の箇所にミスがあるとのことで、訂正して再々提出して欲しいと言われました。

いや小出しじゃなくて一度に伝えてくれよ!と強く思いましたが、Mr温厚の僕はそのくらいで取り乱したりはしません。「了解でーす!」と元気よく返事をしておきました。出世するには元気が大事だよ。

ここで単に訂正して再々提出するのは二流のやることです。一流の僕は、訂正する際に再度こういう事が起きないように他の部分にミスがないかをしっかりチェックしました。出世するにはこういう細やかな気遣いが大事だよ。

チェックをすると他にも間違ってる箇所が見つかりました。どんだけミスすんねん、絶対出世できませんね。

あぶない、あぶない再々々提出になるところだったと見つけたミスをしっかり修正してSさんに再々提出をしました。

ホッとしたのもつかの間、Sさんから再び連絡をもらいました。

「すみません、提出いただいた資料ですが前と違う部分があるんですが」

「あそこですね!チェックしたら間違っていましたので直しておきましたよ!!」

と元気いっぱい自分の手柄をアピールしました。元々は自分のミスのくせに不貞ヤツですね。

さすがですね!と褒められるかなと期待していたら、Sさんから思いも寄らない事を言われました。

「困ります。そこの修正は上役に報告していないので。前のように戻して再提出してください」

「えっ!?でも間違っていますよ」

「間違っているかどうかはこちらで判断いたしますので」

これにはさすがのMr温厚の僕も食い下がりました。

「いやでも確実に間違っていますので、またそちらから指摘をいただいて直すのであれば、二度手間になりますし、気付いた時に直した方が効率が良いと思うのですが…」

「それはそちらの都合でしょう。上役に報告した個所と違う部分があると私が説明をしないといけないので。戻してください。」

だったらやめたらーー!!と喉元まで出かかったのですが、市からの委託事業をケンカしてやめたとなると社長の顔に泥を塗ることになります。僕個人の感情だけでそんな事は出来ません。

「……わかりました」と返事をして、わざわざ合ってる所を間違ったカタチに直して再提出しました。僕は何をやっているんでしょうか。

その後Sさんから修正の連絡は無かったため、上役から指摘はなかったんだと思います。


この他にもSさんからはたくさんストレスを頂戴しましたが全部自分の勉強だと割り切って特に揉めることはありませんでした。そんなSさんも今年の4月にめでたく…いや残念ながら人事異動があり別の担当者に変更しました。

新しく担当になられたのはTさんという女性の方でした。

TさんはSさんよりも話がしやすい良い方でしたが、それでもお役人です。どれだけ良い人でもお役所仕事というのはお堅い仕事になります。僕は過度の期待はしませんでした。

そんなある日Tさんからも提出した資料に間違いがあると連絡をもらいましたが、その様子がSさんとは全く違っていたのです。

「先日提出していただいた資料ですが、この利用者の名前の漢字とこの部分が多分間違っているので、来月からで良いので修正してくださいね」

「えっ?出し直さなくて良いんですか?」

「はい。わざわざお手間を取らすのは申し訳ないので、来月からで大丈夫です」

「えっでも上役の方から指摘されたりしませんか?」

「今んとこ私しか知らないので大丈夫でーす。まぁ見つかった時はごめんなさいって私が謝っとくんで(笑)」

「ありがとうございます!!」

「利用者に迷惑が掛かってないので大丈夫でーす。じゃあよろしくお願いしますね~」

だ、大好き過ぎる!!!


僕がTさんに恋した瞬間でした。残念ながら僕は結婚しているためこれ以上の発展はありませんが。Tさんごめん。

お堅いイメージのある役人の方でこんなに融通を利かせてくれる方は今まで見たことがありません。一見するといいかげんな対応をしているように見えますが、決して無責任な対応はしていないと思うのです。

Sさんは自分の事しか考えていないように思えましたが、Tさんは僕の事や利用者に迷惑が掛からない事などをちゃんと考慮してくださっています。仮にTさんから何かを依頼されたとしたら僕は全力で応えると思います。

こういう相手の事を思いやれる人が一流であり出世をするんだと思います。


逆に市へ提出する資料なのにミスばっかりしている僕は三流なのでくれぐれも見習わないようにしてくださいね。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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