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名人を倒す(前編)

こんにちは😃コッシーと申します。

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

さて、将棋の藤井聡太七段が渡辺明棋聖を破り、八大タイトルの一つ棋聖位を奪取されました。

藤井七段にとっての初タイトルらしく、17歳11カ月でのタイトル獲得は30年ぶりに最年少記録を塗り替える偉業の達成とのことです。

これは本当に素晴らしい事であり、同じ愛知県人としてとても誇りに思います。

今後のますますのご活躍を祈っております。本当におめでとうございます。


実はこう見えて僕は結構将棋が好きでして、今でこそたまに利用者と指す程度ですが、小学校時代はかなり熱中しておりました。

将棋をTVで見るといつもあの頃の思い出が蘇ります。


僕の小学校は5年生になると必ず学校のクラブに入る決まりがありまして、1年を前期と後期に分け、前期に運動系のクラブに入ったら後期は文科系のクラブに入る、またはその逆パターンで入るという決まりがあり、僕は当時サッカー少年団に入っておりましたので、前期はサッカークラブに入っておりました。

後期のクラブを決めるに当たり、なんとなくで将棋クラブに入ったのが僕と将棋の出会いでした。

元々シミュレーション系が好きだったせいか、僕は将棋にすぐにハマりクラブの日だけではなく、毎日友人たちと指し、詰将棋の本を買って勉強したりとメキメキと実力を伸ばしていきました。

その内に初心者だった僕は同級生はおろか、6年生相手でも勝てるようになり、このクラブでなかなかの実力者になることが出来ました。

しかし、そんな僕でも絶対に勝てない男が1人おりました。

彼の名前はタカハル君。

タカハル君は僕と同じ5年生でありながら、将棋好きのお父さんの影響で幼少期のころから将棋の英才教育を受けて育った超強者でした。

クラブのメンバーでタカハル君に敵う者は当然おらず、顧問の先生までも全く相手になりませんでした。

僕も何度も挑戦しましたが、連戦連敗はもちろんのこと、飛車角抜きという超ハンデをもらった状態でも、コテンパンにやられました。

この将棋クラブでは1期に1回リーグ戦が行われ、そこの優勝者は『名人』のタイトルを獲得できました。

案の定5年生の後期の名人は全勝でタカハル君でした。

みんな当たり前だと思っていましたし、僕も悔しさなど全くなく当たり前だと思っていました。

6年生になり、前期に将棋クラブに入りました。タカハル君も同じく前期に将棋クラブに入っていました。

そしてやっぱりタカハル君には誰も勝てませんでした。何度挑戦しても勝てる兆しもなかった僕はその内に将棋に飽き始めており、将棋を指すのはクラブの時だけで、友達とももう指さなくなりました。


そんなある日のこと。


僕の家のお隣さんに回覧板を持ってくように母親から頼まれました。

隣りのお家は小林さんという年配のご夫婦二人で暮らしており、小林さんの子供たちは就職やら結婚やらで一緒には住まわれてはいませんでした。

「ごめんください」と玄関先で声をかけましたが応答はありません。

田舎なのか、子供だったのかチャイムを鳴らすという発想がありませんでした。

「ごめんくださーい」と再び声を出しましたがやはり応答はありません。

留守なのかなぁと玄関先から庭の方に回ると、縁側で1人将棋盤と睨み合うおじいさんがいました。

小林さんでした。

「すいません、隣の○○です」と言うと小林さんは僕に気づき、「ごめんごめん、ちょっと夢中になっていて気づかなかったよ」と笑顔になって言いました。

回覧板を持ってきた事を伝えると「ありがとう。ちょっと待っててな。」と小林さんはお家の奥に行き、スーパーの袋に大量のお菓子を入れて戻ってきました。

「おつかいご苦労様。これはお駄賃」と袋を僕に渡して、再び将棋盤の前に座りました。

僕はもらったお菓子の嬉しさよりも将棋が気になって気になって仕方ありませんでした。

将棋というよりも将棋と向かい合っていた小林さんの雰囲気に、子供ながらに何かを感じたのかもしれません。

将棋を見つめて立ち去らない僕に小林さんは声をかけてくれました。

「将棋好きなのかい?」

正直将棋に飽き始めてた僕は将棋が好きかどうかは分かりませんでしたが、小林さんのまっすぐに僕を見る目に思わず「好きです」と答えました。

小林さんはその言葉に、ニンマリと笑うと「こっちに来て座るかね。」と僕を手招きして自分の対面に座らせました。

これが僕と小林さん、いや師匠との出会いでした。

(まさかの後編へ続く)


打倒タカハル君を目標に師匠との修行の日々が始まる。

僕はタカハル君を倒して名人になれるのか!?

タカハル君との壮絶なバトルは行方は!?

次回予告『月下の棋士は3月のライオンにハチワンダイバーとなる!』乞うご期待!!


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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