歯医者の異常な愛情 その3(カルマティックあげるよ ♯10)
私は通行人でまあまあ賑わう、繁華街に建つ百貨店付近のベンチに腰を下ろしていた。
時刻はとうに18時半に差し掛かっていたが、7月の夕暮れ時の空はまだ明るかった。
あの歯医者と別れた後、逃げるようにバイクを走らせ、ひとまず気分を落ち着かせる為にここまで来ていた。
所詮中規模の地方都市の繁華街なので大したことのない賑わいぶりであるが、買い物を楽しむ家族やカップルの声が飛び交い、様々な人々が交差する場所に来たことで、気を紛らわすことができ、少しずつ安心してきてはいた。
ほどほど賑や