ソリティア期
ソリティアしかできなくなるときがある。
何もやる気がおきないけど何かしていないと気が休まらないとき、無性にソリティアをやる。Google検索で「ソリティア」と検索すると検索結果にソリティアのミニゲーム画面が出現する。やり始めてすぐに飽きてしまうこともあれば、やめどきがわからなくなって気付けば1時間以上ソリティアをやっていることもある。ソリティアをやるとき必ずしも暇というわけではない。ソリティアなんかやってる場合じゃないときもある。「ソリティアなんかやってる場合じゃないのに」と焦りを感じながらもソリティアをやめられない謎のループにハマるときがある。なんなのだろう。
ソリティアにはドキドキハラハラな要素が一切ない。タイムアタックをしていない限り瞬発性はいらないし、頭脳も使わない。基本的に無の感情で単純な規則に従いカードの位置を動かしているだけ。クリアできるかどうかはほとんど運で決まる。最初からどうやったって詰むしかない配置になっていることも多い。詰みが多いからなのかクリアできたときちょっと嬉しくなる。しかし気晴らしと呼べるほどの喜びではない。むしろやるべきことを先延ばしにして時間を無闇に溶かし自分の首を緩やかに締めている感覚がある。
過去のソリティアループにハマった時期を振り返ると大抵日常に新しい要素が加わったときだった。人間にとって変化というのは良くも悪くもストレスがかかるという。ソリティアはカードの配置以外に何も変わることがない。いつも変わらずそこに在り続けるソリティアだからこそ寄りかかってしまうのかもしれない。
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