はぐくみ・うまれ・そだつ・そして #18『ぼくのはじめて』
前回はこちら↓
今回は、はるくん編。
りょうちゃんは、はるくんにとって生まれて初めて小さな子が「かわいい」と思えた存在。
これまでは小さい子を見るとそばに寄らないで・・・ぼくのペースを乱さないで・・・。と小さい子=ちょっと困る存在だった。
本当に意外なのだが・・・りょうちゃんは最初から抱っこしたりお世話をしてくれたりでこちらの方が驚くくらい。
本人もなぜだかわからないらしい。
仕事に行きだし、帰宅すると夕食を済ませたはずのりょうちゃんがはるくんの隣に椅子を持ってきてすわりスタンバイ。一緒に食事タイムを過ごすのが日課だった。「はい、あ~~んして。」と口に入れてもらって満面の笑み。
ちなみにパパさんが帰宅しても同じように隣にスタンバイ。一日8食はこんなところからだったのだ。
りょうちゃんの事故が起きた日、その日ははるくんが新しい会社に正社員になった日だった。
帰宅して「おめでとう」と伝えると嬉しそうな笑顔だった。みんなでご飯を食べて、お風呂の支度も珍しくしてくれたのだった。
あの時から・・・はるくんはずっと、自分がお風呂の掃除をしたから・・・。とずっと後悔していた。
みんなそれぞれが、自分がしたことを悔やんでいたけど、はるくんの沈みっぷりはまあちゃんと同じくらい深い深い所へ潜っていた。
特に警察の取り調べの際に離れの部屋にいたということでアリバイがない。そこからいろいろと調べられて、事件の疑いをかけられたことも本人の中で黒い塊のようになっていたようだ。
食べられず、体重はどんどん落ちていく。眠れない・・・。そのうちにどんどんと悪い方にしか考えられなくなってしまった。
そうするといろいろなことが併発し仕事にも支障をきたしだし退職することに。部屋の中に籠りがちになっていった。
そんな時、部屋から出てきたはるくん。
お財布につけていた天河弁財天の五十鈴がポロッと外れ「シャンッ」という音と共に地面に落ちた。
はるくんは、ハッとした。「あれ、何していたんだろう。・・・あっ、おなか・・・空いた。」
「お腹空いたの?何かすぐ作るね。」パパさんは嬉しそうにキッチンへ。そしてはるくんが好きそうなものをパパッと作りテーブルへ並べた。
「・・・りょうちゃん、食べれないのに・・・自分はお腹が空いて・・・食べれて・・・。」そういうとはるくんの頬に涙がこぼれ落ちた。
「それが体があって生きているってことなんだよ。この世界に体があるうちはおいしいもの食べないと。りょうちゃんがいつか帰ってきたら、はるきおじちゃまおいしいもの食べに連れて行ってね、て絶対言うよ。」となっちゃん。
「・・・そうだね、いつの日か・・・会えるかな・・・。ぼくね、初めてかわいいと思ったんだよ。生まれてすぐのりょうかに手を握られたとき何とも言えない気持ちになったの。・・・なんでかなぁ・・・早すぎるよ・・・。もっともっと一緒にご飯食べたかった。」
「りょうちゃんの分も食べないとね。体調がよくなったら天河さんと竹生島に行こう。りょうちゃんと一緒にいったでしょ?はるくんは。」とパパさん。
そうだった。お出かけになかなか家族とはいかないはるくんがりょうちゃんと一緒の時はついてきたのだった。
そして年を越す前にどちらの神社にも足を運びお礼参りに行くことができた。
あの時の、鈴の音はこの世界にはるくんを連れ戻してくれたのかな?
はるくんを連れ戻してくれて本当にありがとうございます。
間もなく、あの日から一年。はるくんも少しづつ社会復帰中です。りょうちゃん、ちゃんと見ていてね(⌒∇⌒)
はるくん編はこれにて終了。
次回はなっちゃん編です。
次回につづく・・・。
続きはこちら↓
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