2023.05.25

 久々に自分の小説を読んだ。
 暇さえあれば活字を読み活字を打っていたあの頃の私はどこへ行ってしまったのか。活字さえあったら私はそれでもう幸せだった。他の娯楽は軒並み没収されていたし、友達と遊ぶことも中学を出るまでほとんど禁止されていた。それ以外に娯楽がなかったからやっていただけなのだろう。小説が好きかと言われると今はそうでもないような気もする。
 かつての私が書いていた綺麗な文章は、バカみたいに膨れ上がった悪い字書き特有の自意識と引き換えにあったものだった。私は私の自意識が嫌いだった、だから殺した。もうあの頃の自分に戻るのは御免だから綺麗な文章は書けないし、書かない。あれが好きだと言ってくれた人も、あの作品から繋がってくれた人もたくさんいるというのに。
 悪の自意識を殺したことで現実世界の私は多少マシな性格になった。なったところで関わる人間も大していないっていうのに。しかも完全に自意識を殺し切れたかと言えばそうでもなく、それは私がメンヘラ破壊神ちゃんと呼んでいる部分として残った。
 もう大して小説も書いていないが、社会に不適合で歪な人間ばかりいるこの界隈が心地よくて未練がましく縋りついている。もっともその界隈だって私が期待していたほどには寛容な場所ではなく、2月にその不寛容で切った、切られた縁をたくさん見たばかりだ。趣味で小説を書きます、便利だから未だに言っているけど書いてねぇだろといつも思うし、書いていないからにはこれ以上字書きの友人が増えることもない。ネットの関係は儚いしリアルに大した人間関係があるわけでもなく、そのうち1人になって死ぬのだろう。もう手段としてでもいいから私は小説を書いた方がいいのかもしれない。少なくとも小説を書いたり読んだりしている時が一番独りでも平気だし、人間強度は強い。何言ってるか分からなくなってきたので寝る。

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