趣味と救済 第2号-「物語」の救済三要素

 久々に小説を書き、「これは2万字くらい書いただろ!」とウキウキで文字数カウントにかけたら3000字でした。木染維月です。


 さて、小説、漫画、アニメ、ドラマ──媒体を問わず、私たちの周りには物語が溢れています。「物語」で救済をやる利点は、長期的かつ巨大な「説得力」だと私は考えています。

「趣味と救済 創刊号」にて「救済ソング」の話をしましたが、曲で救済をやる場合、物語とはその性質が異なります。曲の歌詞──つまりは詩、短い言葉がメインウェポンとなるわけですが、短い言葉は持ち歩きに便利です。常に私たちの生活に寄り添って、事あるごとにその言葉を思い出して、その言葉と苦楽を共にできるはず。そして、その性質は「共感」や「励まし」だったりすることが多いと思います。

 しかし物語の場合、詩よりも多くの言葉を費やすこととなります。先にも挙げた「共感」を含む様々な要素を組み合わせることで、より強い説得力を生むこともできますね。そして、摂取するのに時間がかかる分、より長く受け手の人生に寄り添うことができるし、言葉が多いぶん吟味し直すことができる機会も多いでしょう。もっとも、多すぎる言葉は時に冗長だし、物語を読むのはそれなりに体力を使うので今まさに限界だという人間の力になるのは難しいかもしれません。

 要は一長一短だし、曲に至ってはある条件下において「物語」と同じ説得力を得ることも可能だと考えているので、「物語」単体で「救済」をやろうとするメリットは少ないと私は考えています。私はそれしか手段を持たないので小説を書いているだけです。
(ちなみに、短い言葉と「物語」の相乗効果という意味で、私はプロジェクト系の創作物(有名なのだとカゲプロとか)に可能性を見出していたりするのだが……それはまた別のお話。)


 さて、本題に入るとしましょう。
 「物語」で救済をやる時、どういう要素があると良いのだろうか? というのを考えた時──最近私の中で結論として落ち着きつつある、救済三要素について。

救済三銃士を連れてきたよ!
救済三銃士?

最も簡単な救済の基礎、「共感」

コンテンツは生きる人間のためのもの、「物語の役割」

物語という媒体ならこれを忘れちゃいけない、「読後感」

(例のコラ画像)

 …………。

 はい。




 この三銃士の中で最も直接的な救済要素は「共感」です。
「共感」はヤバい。何といっても一番分かりやすく簡単な救済要素です。詩作ではメインウェポンとなることもあるこの要素は、「物語」で救済をやる上では重要な下敷きとなります。たぶん。


 ここで一度、「共感」を解剖していきましょう。
 曲を聞いたりしていて、「この曲は私のことを歌っている!」と思った時、つまり共感をした時──結構な確率で、その曲のことを好きになると思う。或いはその曲を信用すると思います。「共感」を得ると人は安心するのです。身近なところで言うと、「こないだのテスト赤点でさぁ……補講呼ばれてるんだよね」「え!私も赤点!一緒に補講行こ!」となった時、めちゃめちゃ安心すると思います。ソースは私。

「共感」は簡易的に味方、理解者を得た状態を作り出すことができるし、これ単体で既に救済として成り立っていると言うこともできます。


 ──つまり共感とは、「手っ取り早く『この作品は私の味方だ』と思わせる手段」なのです。



 「物語」において主人公への共感があると、物語への没入度が格段に上がります。主人公と自分を重ねて見るため、この先物語中で起きる出来事により没入するし、さすれば最終的に作中で言いたいことも伝わりやすくなりましょう。主人公が救われれば読者も救われる、という構図を生むこともできます。個人的にはこれがなければ始まらないまである。




次。

 「物語の役割」について。

 私は基本的に、コンテンツは生きている人間のためのものであると考えています。ここで重要なのは、「生きたい人間のため」ではないということです。
つまりここでの「物語の役割」とは「生きている人間に向けて言いたいこと」であり、要は作者の主張に当たる部分です。単体で言っても聞き入れてもらえないような主張でも、その説得力となるような物語を敷いてきていれば、その主張は読者に届くことでしょう。この「物語の役割」の部分には、「許し」や「信仰」など任意の救済を持ってきて構わないと思います。




 最後に「読後感」
 これが悪いと説得力が死んでしまいます。この終わり方で良かった、主人公の結末として納得できるものだった、そう思わせなければ今までの主張を否定することになってしまう。ここまで書いてきた救済が正しいものであったと最後のひと押しをするため、読後感は欠かせないものとなります。これが悪いと説得力が死んでしまう。


 まァ色々書きましたけど全部妄言で〜〜〜〜〜〜す! 小説について知ったような口をきくな、なぜなら言えるほど書いていないからです。note記事書く前に小説書け。これを読んでいるお前らもnoteを閉じて小説を書きましょう。


 それではまた。

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