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『夏休みRubyプログラミング講座』

私はブログをしている。更新は自分でしていて、ブログの管理者ページに日本語を打ち込んで更新。でもたまに、htmlで打ち込むこともある。画像に枠をつける、文字にリンクを貼る、文字の色を変えるなど、はじめはチンプンカンプンだったhtml。ネットで調べ、htmlがほんのちょびっとわかるようになった。


この上の写真、右中程にあるリボンを頭につけた女の子の画像と『>>子育て新聞』のくくり、htmlで書き出すとこうだ。<a href="https://note.mu/kosodateshinbun"><img src="http://img-cdn.jg.jugem.jp/7fa/1481717/20160716_1459174.jpg" alt="" width="142" height="173" vspace="2" class="pict" / border="0"></a><br /><span class="m_pro01"><a href="https://note.mu/kosodateshinbun">>>子育て新聞</a><br><br>

一文字でも間違えているとバグが出てきちんと表示されないので、何度も何度も書き直した。ぐったりすることも多いが…自分が打ち込んだ文字列がイメージしたものに変換された時は、とても嬉しい。いつだったか、2020年に小学校でプログラミングの授業が必修になるという話をどこからか聞いた。子どもがプログラミングする時代が来たのか、と少々びっくりしていたら、先日、出先で『夏休みRubyプログラミング講座』のチラシが目に止まった。


『夏休みRubyプログラミング講座』を取材した

2017年7月23日、『夏休みRubyプログラミング講座』全2回講座(13~17時まで)の2日目。計8時間で、まつもとゆきひろさんが開発されたRuby(ルビー)を使ってプログラミングを学ぶ。その日の受講者は、小学校5、6年生の男の子9人、女の子4人。子どもたちは、テキストを見つつ指一本でプログラムを打ち込む。中には両手を器用に使いパチパチと手慣れた様子で打ち込む子もいた。そのパソコン操作に慣れている子に尋ねると、小学校の授業でパソコンを使うこともあるそうだが、もっぱらパソコンを使うのは家。よくWordで遊んでいるとのこと。


この講座では、プログラムを打ち込み、パソコン画面上でボールが動く作品を作る。テキストに載っているプログラムに、背景色やボールの大きさ、数、動くスピードなど、各自が自由に入力して仕上げる。講師の方1人とRubyの講習を受けて指導資格を得た方3人、主催した株式会社まちづくり三鷹の社員の方2人、計6人が、スタッフとして指導にあたる。スタッフのひとりが、独自のプログラミングを披露し、子どもたちが集った。パソコン画面で動く作品に「やっばー」と、感嘆の念をもらしながら自分の席に戻り、また制作に励む。

講義終盤、子どもから「数字0.5にやってもいい?」という、プログラミングに入れる数字への質問が出た。「やってみてください。色々試して、自由にプログラミングしてみて」とスタッフの方が返事。しびれた。子どもたちは、学校の授業では決められたことをそのままなぞるのがほとんどではないだろうか?例えば、習字や音楽の縦笛、理科の実験、調理実習など。決まった材料を使って、決められた手順のもと、決まっている完成品目指して作っていく。だが、この講座では、共通のプログラミングのベースはあるけれど、オリジナルで打ち込んだものによって完成品が全く違うものになっていた。


ポップな感じの作品。



画面の下に小さい水色のボール群。まるで海のよう。



ピンクの部分はラインのように見えるが、小さい小さいボールが集まってできている。モダンだ。

打ち込んだ味気ない文字列が、アニメのように動き出す。子どもたちは自分がまるで魔法使いになったかのように、目をキラキラさせて画面に見入っていた。あ、そうそう、教室の雰囲気はというと、各個人で申し込んで来たらしいが、前から友達のように質問をしあっていた。それから、わからないことがあると、さっと手を挙げて先生にヘルプを求めていた。最後は、各パソコンをまわって、できあがった作品をみんなで鑑賞。講義が終わると作ったプログラミング入りUSBをお土産にもらっていた。Windowsがあると家でも引き続きできるとのことだ。


後日

『夏休みRubyプログラミング講座』を主催した株式会社まちづくり三鷹の大川さんと河本さんにお話をお伺いした。株式会社まちづくり三鷹は、三鷹市の公共団体と共に事業を行なっている会社で、三鷹市を活性化するため『Ruby』に白羽の矢を立てた。プログラミングは、ありとあらゆるところで活用されている。例えば、家電やアプリ、ゲーム、インターネットなどなど数え切れない。しかし、日本ではプログラマーが不足している。そこで、株式会社まちづくり三鷹では、将来職業プログラマーとして活躍できる人材を育てようと長い計画を立てた。Rubyを子どもたちに学んでもらい、ゆくゆくはその子どもたちにその技術を生かし、産業として盛り上げていってもらおうというのだ。
まず、Rubyの教材を作った。そして、2007年に子どもたちへRubyを教える人を育成するための講座を実施。翌年、子ども向けのプレ講座を開いた。反響があったため、子ども用教材を作成し、小中高生を対象とした講座を開設した。また、月に1回、Rubyクラブも開いている。学校の行事や受験などの関係でなかなか継続して通える子どもは少ないが、地道に続けているそうだ。
その成果として、小・中学生のときに講座を受講した子どもから、高校生にして起業した人物まであらわれた。山内奏人さんである。山内さんは、2012年度、中高生国際RubyプログラミングコンテストU-15の部にて最優秀賞を受賞。そして、なんと山内さんは、本年度のRubyコンテストではRuby開発者のまつもとゆきひろさんと名を連ね、審査員として参加する。
一方課題もある。学校単位でプログラミングの授業を展開できないかと、中学校でプログラミングの授業をしたことがあった。その際、同時にたくさんの子どもに対してプログラミングを教えるのは大変難しいと痛感したそうだ。というのも、パソコンに全く興味がない子もいるし、多くの生徒はキーボードで文字を打つことに慣れておらず、『#』をどうやったら打ち込むことができるかなど、初歩の初歩からの指導だった。またプログラミングがうまく動かなかった場合、先生とスタッフがバグがないかチェックしたのだが、それを見つけ出すのは一苦労。『L』の小文字である『l』と数字の『1』は、パッと見てわかりづらいなど、バグ探しに時間がかかった。丁寧に教えるには、大勢のスタッフが必要ということがわかったが、経費などを考えるとそれは難しい。『Scratch』という日本語のピースを組み合わせてパソコンに指示をするという、プログラミングソフトがある。それだと教える側も教えられる側もわかりやすく学校教育の場で導入しやすい。しかし、職業プログラマーの世界では使われない様式のため、職業プログラマー育成という目標があるので、変わらずテキストでプログラミングをする様式を採用していく方針だそうだ。もし、学校と一緒に何かをするのであれば、クラブ活動など少人数で教えることができる範囲で考えているとのこと。


取材を終えて

プログラミングをする際必要なのは、コンピューターに対して順序立てて指令をするための論理的思考、バグが出た場合には問題解決力など。プログラムを学ぶことによってそれらの能力が養われるとされているが、プログラミングの教育を受けた子どもたちはどんな大人になるのだろうか。世界中で起きている様々な問題をスラスラと解決してくれるといいなぁ。


『小学生から楽しむ Rubyプログラミング 』日経BP社から株式会社まちづくり三鷹が開発したテキスト、販売中。


>>株式会社まちづくり三鷹

『第7回 中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2017 in Mitaka』
2017年12月2日(土)
募集期間 2017年7月15日~9月30日
>>詳細



発行・テキスト・編集・写真 はまのゆか・2017年8月17日

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