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【映画感想】バッドボーイズ・フォーライフで真のBADになれ

俺だ、コセン・ニンジャだ。
半年にわたる、北の壁でのスノーエルフとの戦いに決着がついた。至高のオーバーロードたる、5メートルを超す巨躯のスノーエルフ・ロードの心臓は、ブラックドラゴンの背にまたがるペイルライダー西口(かつては伝説の竜騎士であったが民のために野に下った戦士だ)の槍に貫かれ、北の大地に平和が戻った。
遠征から戻った俺は、ドラゴンの背にまたがってペイルライダー西口と共に映画館へ行った。
バッドボーイズ・フォーライフ。
一生バッドボーイズ。真の戦士ならば、この言葉を言われて観ないわけにはいかない。
そして観た。聞いた。最高にBADだった。ペイルライダー西口はこう言った。
「俺にコラムさせろ」と。断る手はないぜ。だってバッドボーイズなんだぜ。
そういうわけで、今回はバッドボーイズ・フォーライフの話をしよう。
なお、俺と彼女はソニーとかから札束やドーナツの箱をもらったから、記事を書いてるわけじゃない。
完全に自らの意志でやってることだ。それを忘れるな。
ここからはペイルライダー西口のコラムだ。

【ペイルライダー西口】
西の果ての荒野にある魔界への入り口を守る黙示録の乗り手にして、山盛りのステーキを好む魔人派コラムニスト。
たまにメタリックモンスターマガジンに寄稿してもらっています。

ペイルライダー西口だ。お前たちはBADか?
ツイッターで女のケツや、アホなことを言って他人を攻撃するマヌケ共を追っかける日々を終わらせて、真の戦いに飛び込む覚悟はあるのか?
その気が毛虫のウブ毛くらいはあるのなら、手始めにバッドボーイズ・フォーライフを見ろ。
2020年は1ヶ月過ぎたばかりだが、この映画は2020年で最高にBADな映画の一つとして語り継がれるだろう。
これを観て、お前たちもBADになって真の戦いへと漕ぎ出し、自らの因縁と決着をつけろ。
そして、ほとばしるバッドボーイズパワーで、残りの冬をBADに突き進め。病気や弱気に負けるな。
なお、ネタバレはあまりしない。少しはするからそれが嫌ならさっさと観に行け。そしてBADになれ。

17年ぶりのBADな新作

17年。長い。コセン・ニンジャは鼻たれ小僧で、俺はまだグリンランドの竜騎士だった。
大抵、このような作品はリブート作品と言われる。リブート、すなわち再起動だ。
そんな作品の中には、長い間寝かせていたワインのような傑作もあれば、寝かせ過ぎて腐ったミイラのような作品もある。
だがバッドボーイズは違う。バッドボーイズは最高にBADだ。スピリタスだ。
冒頭からメチャクチャなカーチェイスして、刑事映画お決まりのジョークを飛ばし、銃をバンバンぶっ放し、ナイフが閃いてBADじゃない奴らの喉笛をかっさばく。
そして、爆発。車も、建物も、ヘリもとにかく爆発しまくる、まさにBADだ。
この映画こそ、ベスト・オブ・BADだ。マイケル・ジャクソンも天国で(あるいは地獄で)笑顔でサムズアップするだろう。

BADなあらすじ


ホットラインなマイアミの街で25年間警官している、マイクとマーカス。
二人はいつもBADだ。マーカスの孫も産まれて順風満帆かと思いきや、マーカスは引退したいとマイクに切り出す。
孫の顔を見たことで、これからは悪人をBADするのではなく、孫の成長を見て生きていきたいと思ったのだ。
だがマイクは反対する。
「俺たちゃ、一生バッドボーイズだろ!?」バッドボーイズ・フォーライフじゃねえのかよ?と。
しかしマーカスも譲らない。「俺たちに残された時間は少ない。自由にやらせろ」と。
そこで二人は徒競走で勝負することになる。
マイクが勝てばコンビ存続、マーカスが勝てば二人とも引退。
上司の合図と共に走り出す二人。その時、何者かが放った弾丸がマイクの身体を貫く……
果たして、バッドボーイズは終わってしまうのか。マイクは死んでしまうのか。

これがあらすじだ。マイクは一生現役でいたいし、マーカスは愛する家族と一緒にいたい。
その意見の違いをぶつけ合う二人を襲う、メキシコの刺客。
メキシコ、そこは血の川が流れる国だ。
ドラッグと銃とマフィアの国だ。
いくらメン・イン・ブラックで宇宙人をBADしていたウィル・スミスでも、かなり危険な相手であることは『メキシコ 地獄の抗争』が証明している。
だが彼らの味方になる新しい組織が登場する。それが『AMMO』だ。

BADな新メンバー

AMMO。それは新たな味方だ。
リブートものでよくある若手メンバーで構成された新チームで、大体こういうのはBADじゃないから映画の熱を取ってつまらなくさせる奴らだ。
こいつらもそうだろうと思っていたが、AMMOは違った。彼らはバッドボーイズをさらにBADにする弾薬箱だ。
筋肉ムキムキなのに気弱で暴力反対なテックハンター(技術者)、技術はあるが経験が少ない新人マークスマン(射撃手)、生意気でパーリーピーポーなやつ、そしてマイクの元カノ。
癖があって国籍豊かな多様性あふれるBADなチームだ。
特にテックハンターは中盤でキレたらヤバい奴という属性も追加され、さらに味付けが濃くなっている。
彼らは途中まで、ハイテクVS実戦派な感じでバッドボーイズと敵対する格好になり、物語を引き締めていくが、後半になるとバッドボーイズと協力し唯一無二の仲間として大活躍する。まさに名脇役チームとして活躍するのだ。
特に、仲間を撃たれたことで憤怒し、ゴリラみたいな暴れ方をするテックハンターはまさに必見だ。ぜひ注目してほしい。

BADな敵

今回の敵もBADだ。名前はアルマンド。メキシコの刺客の若者だ。
アルマンドは元麻薬王の父が残した遺産を海底のコンテナから引き上げ、その金で手下を従えると、マイクとかつて彼の仲間だった奴らを始末するために動き出す。
この時裏切りが起きて、5人のギャングに囲まれて銃を向けられるが、超人的なナイフ技術で一瞬で片付け、形勢逆転する。アルマンドは戦士だ。
狙撃、通り魔、バイク、ロケットランチャー。手段は問わず、冷酷無比にマイクの元仲間を次々に始末していく。しかし、無関係な一般人を巻き込むことを良しとしない、BADな戦士だ。
まるでマイクのような、超人的な技術と容赦のない殺人技はバッドボーイズとAMMOを着実に追い詰めていく。
そして、アルマンドには驚愕の秘密があるのだが、それは劇場で確かめて欲しい。

最後に

月日が経ち、あらゆるものが変転した。
ツイッターでは以前にもまして誰かが誰かを攻撃し、PS2時代みたいにたくさんのソフトはリリースされなくなったし、エピソード8はクソで、北のワイバーンの群れは人を襲うようになった。
だが、変わらないものもある。山盛りのステーキ、映画館のポップコーン、春の柔らかい日差し。
そして良くなったものも。バッドボーイズ・フォーライフはまさに最高の刑事アクション映画の一つだ。
BADな展開とBADなキャラクターとBADなアクションが完全に融合した、最強にBADな映画だ。
あまりにBADなので、続編製作が決定したらしい。
つまり、続編にもテックハンターが出演する可能性があり、豪快なゴリラアクションがまた見られるかもしれないということだ。
これは期待する価値があるだろう。
バッドボーイズ・フォーライフ。この映画はまさにBADが何なのかを体現した、傑作刑事アクション映画に間違いない。
劇場でバッドボーイズの活躍を見ろ。そしてBADになれ。
そして山盛りのステーキを家で焼いて食え。それが真の戦いに漕ぎ出すための第一歩だ。

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