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「神回」と「17歳は止まらない」

覚えとして書いておきます。ネタバレ。
「#神回」と「#17歳は止まらない」をみる。
両作とも、TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORYという新人脚本・監督発掘企画である。双方とも新人とはいえ、現年齢39歳と60歳というおっさん監督に優しい発掘であった。
たまたま、審査員の足立紳監督がトークに来ていて「若い人を応援するコンテストなどは多くあるけど、年齢に関係なくシナリオの面白さで選ぶべき」との旨の発言に深く同意する。

「神回」の方は、タイムループの仕掛けや主演の二人の魅力、ちょっとエッチ、あとほんの5分のループなので、撮影も同じ光を維持するのが大変だったろうし、いい映画のような感じもする。
しかしながら、女性の描き方はあれでいいのだろうか?
死ぬ間際に初恋の女性への憧れがあり、さらにはその女性が病院にまで訪ねてきてくれたにも関わらず、ここでドラマが動かない=女性の方に感情変化が起こらない。病院まで来たことが感情変化ならその前が必要だし。
つまり、女性が憧れの対象以上の「人間」になっていないのである。思い出の秘話展開しないの?と思ってしまった。そこまでは日本のタイムループものの傑作「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」を超えてくるのか、と期待していたので残念だ。
拙作の話で恐縮だが、「トイレのおっさん」はそこを気をつけた。最後に主人公の影響で憧れの女性に何らかの変化が起こるのだ。9/9に上映しますからよろしく、と宣伝もしておこう。

一方、「17歳は止まらない」は好物であった。
やや、80、90年代の女性がやたら元気なアイドル映画のような感じで、前半はドラマ「スチュワーデス物語」のように先生と生徒の恋愛ものだ。もっと古いと増村保造監督の作品に出てくる自己主張の強い女ものともいえる。だから好きにならずにいられない。
上手いのは「スチュワーデス物語」のように大人の恋のライバルが出てくるのではなく、コンプラ上、生徒のアタックをかわしていた先生が実は…っていう、オトナの欺瞞展開、そして、その失恋の主人公の受け止め方。そして主人公に恋する別の高校の男子生徒との、これからを感じさせる終わらせ方。
やや、前時代青春映画感はなくもないが、これがやりたいを自由にやっている感じが良かったのである。こちらもほんのちょっとエッチあり、そこも前時代青春映画だった。

「カウンセリング」チラシ

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拙作「カウンセリング」9/9主催上映
https://koshiy.wixsite.com/counseling


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