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言霊だと

私たちは…少なくとも私は神ではないので、私の右手が書き出すもの、口から吐きだされるものなんて、たいした重みはない。
真に受けてもらっては困るほどのいいかげんな代物。

助詞ひとつでそれが親しみなのか皮肉なのか変わるというのに、これを秒単位のせわしなさで投げ合っている。

そんな雑なやりとりに、こまごまとした意味の解釈とその是非を問われたら、向こうも疲れてしまうだろう。

世の、言葉に傷つき疲れてしまう人たちへ。

世間で人々が放っている言葉の大半に、言われるほどの霊など宿っていない。
あなたたちが見聞きし、人知れず血や涙を流す重さなどどこにもない。
相手はそう思って欲しいと思っているかも知れないが。

声は、そよぐ風の震えにすぎず、
文は、紙についた泥ほどのものでしかない。


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