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第7話 決断

今後のこと決めるため、彼に会いに行きました。
彼の出した答えを聞くのが怖く、なかなか話を切り出すことが出来ませんでした。
でも、「今回は、諦めてほしい。」と言われてしまったら私の希望を話しにくくなります。
ズルイかもしれないけど、先に言ってやろうと思いました。

私は、子どもを産みたいことと、お互い社会人なんだからなんとかなると思うことを伝えました。

それを聞いた彼は確かに「産んでほしい。」と言いました。
彼も、後はなんとかなるという考えでした。
結婚についての具体的な話はしませんでしたが、お互い結婚を前提として話を進めていました。

私はこの時、彼に逃げられなくて良かったと安堵し、彼となら幸せになれると思いました。

後は、決断したことを両親に報告しなければと思いました。
私はもう社会人なので、親から承諾を得なければという考えはありませんでしたが、反対されたらどうしようと不安でした。

まずは母からと思ったのですが、なかなか話を切り出すことが出来ませんでした。
私と母は仲の良い方で、2人になる機会も多かったのですが、言うのが怖くて仕方ありませんでした。
決断から1週間経ち、さすがに隠すのが辛くなって思い切って言いました。
すると母は、「やっぱりね。」と言いました。
ここ最近の私のおかしさから気付いていたようです。
さすが母だなぁと思いました。

彼のことを話すと母は、「今回は諦めなさい。」と冷たく言い放ちました。
理由は、彼と付き合いが浅いことと、遠くにいることでした。
春夏秋冬、一通り一緒に過ごさないとお互いのことが分からない。頼れる人がいない地で子育てするのは大変だ。とのことです。
確かにそれは正論です。
しかし私はものすごくショックを受けました。
デキ婚で私を産んだ母が、ここまで反対するとは予想外でした。
母は父と3年の交際を経て結婚したので、充分お互いを知ってから結婚したといえます。
しかし、母と父の関係は良好とは言えませんでした。
父はいわゆる''モラ’’なのですから。
充分な交際期間を経て結婚しても、本性が見抜けなかったり、人は周囲の環境の変化などから悪い方に変わってしまうことがあると実感していました。
だからこそ、母に反対される筋合いはないと思いました。

その日は悲しくて涙がとまりませんでした。
母に洗脳され、結局中絶することになったら…
中絶後の空っぽの私を想像すると、怖くなりました。


2020年3月現在…
母は孫である私の娘を可愛がってくれています。

もう一つの選択をしていたら、私は今何をしていたのでしょう?幸せでしょうか?

今の私は苦労は多いですが、娘がいることが心の支えで生きる意味となっています。

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