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「私の物語」より、今日の一句⑩

こんにちは、谷口桂子です。note連続投稿11日目です。

今日は、私が俳句を始めたきっかけを書いてみようと思います。
20代前半、私は大学に6年在学していたのでまだ学生で、新聞社でバイトをしていました。将来の方針も決まらず、私生活でも悶々としていたとき、津村節子さんの「銀座・老舗の女」という本に出会いました。
その中の、卯波 鈴木真砂女さん、の項に目が止まりました。
自身の恋愛が原因で、50歳で身一つで家を出、銀座に小料理屋を開いた波乱の女性俳人・・。こんな人がいるのか、会ってみたいと思って、卯波を訪ねました。俳句をする気はまったくありませんでしたが、いつの間に詠むようになり、苦もなく句が生まれ・・。
俳句に限らず、どんな芸事もそうだと思いますが、最初の師というのは大事だと思います。それさえ間違えなければ、道は開ける。お手本にしたい人を見つけるまでが大事なのかもしれません。

出会いのきっかけを作ってくださった津村節子さんには、昨年、小学館の連載インタビューで再会を果たすことが出来ました。「銀座・老舗の女」に序文を寄せているのが、私と同郷の文化勲章作家・丹羽文雄さんです。
そして「銀座・老舗の女」のカバーの絵を描いている風間完さんには、後に、私の処女句集「妬心」の装丁装画をお願いすることになります。
ご縁というのを考えずにはいられません。

さて、今日の一句

春の闇噂がうしろを通り過ぐ

3月8日まで神保町のギャラリー&カフェバー「クラインブルー」で俳句の展示をしています。どうぞお立ち寄りください。