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第5期デザイン経営スクールプレセミナー1
中小企業とデザイナーがデザイン経営について体感的に学ぶ「デザイン経営スクール」第5期生の募集にあたり、本スクールを体験できるプレセミナーを実施しました。
中小企業経営者に向けたプレセミナー1では、産業用素材として開発した高性能吸水スポンジを日常使いできる吸水ツールとしてブランド化した「STTA」を取り上げ、トークセッションを行いました。
ここでは、セミナーの様子をお届けします。
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EVENT REPORT
デザイナーの“新しい視点”がヒットを生む
中小企業のための「ビジネスデザイン」
講演は、「STTA」の開発担当である真野稔正氏(アイオン取締役)、デザイン開発を担当した今井裕平氏(kenma代表取締役)、モデレーターとして清水覚氏(オクノテ代表)にご登壇いただきました。
【オープニングトーク】
ゼロからイチを生み出すデザイナーとの出会いと
新事業開発プロセス
最初に真野さんにSTTA開発に至るまでの道のりについてお話いただきました。アイオン社はもともと70年にわたって吸水スポンジを作り続けている化学メーカーです。その技術を活かしたBtoC向けの商品として、「suuu」というヒット商品もありました。
開発を担当していた真野さんと今井さんの出会いは、なんと公社のデザイン導入支援セミナーがきっかけなんです。2020年の8月に真野さんから今井さんに相談し、翌年からプロジェクトをスタート、2022年のギフトショーで「STTA」を発表と、ゼロからの新商品の開発としては、かなりのスピード感で進めていった印象です。
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それを受けて、今井さんから「どのようにスティック型のタオルという『STTA』のアイデアに行き着いたか」が説明されました。今井さんはアイオンから提供された既存製品の一つ、ローラー形状のスポンジに注目。生産コストを考え、定型を活かした生活用品、しかもこれまでチャレンジしたことのない「ローラー形状」で何かできないかと考え、スティック状のタオルを発案。アイオン独自のプレミアム素材「ソフラス」を採用し吸水力、保水力、排水力の高い吸水ツールという切り口を打ち出したそうです。
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【トークセッション】
デザイナーと二人三脚で新たな事業を創出
「STTA」ヒットの理由を探る
後半は、モデレーターとして清水覚さんが加わり、質問を投げかける形で対話を深めていきました。
まずは「新商品を開発する際、どうやって社内決済を通したか」について。アイオン社内でも「これだけの費用をかけて本当に成果がでるのか」という声はあったそうです。しかし「社内の人員だけで考えていても限界があるから、新しい視点で考えていくために外部のデザイナーに依頼するのは当然のこと。それに見合った成果が得られればいいのですから。社内に新しくデザイナーを抱えるにしても人件費がかかるので、その分の費用を外部のデザイナーにかけると考えればいい」と費用対効果については真野さんが説明を重ねたとのことです。これはほかの中小企業の皆様にとっても、参考になりそうなポイントですね。
「製造過程で困難だったプロセス」については、真野さんは「色ですね」ときっぱり。「デザイナーから指定される色や形については、こだわりがあることは理解しています。しかし作る側からすると限界もあるので、どこで折り合いをつけるか探っていく必要がある」と説明しました。一方、今井さんは「ブランディングの王道は色だと思っています。既存の色ではなく新しい色で見せたいと考えたときに、事前に実現が可能な色を聞いたうえで、『STTA』では青と緑の中間色を選びました」と重ねました。
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真野さんと今井さんの気の置けない関係性がよくわかります
他にも「価格設定について」「大失敗しないためのポイント」「プロジェクトのゴールの精度」「デザイナーとの相性」「プロジェクトメンバーの成長」などさまざまな話題が繰り広げられました。
クライアントである真野さんと外部デザイナーである今井さんですが、きちんと情報共有して言いたいことを言い合える関係性が築けていることが、「STTA」成功の重要なポイントだったように感じました。「押しが強い」と評された今井さんですが、それはクライアントの意思決定の精度を上げていきたいという気持ちの表れからきていること。そして開発の責任者がプロジェクトメンバーに入っていることで、意思疎通が図りやすく、より解像度の高いゴール設定が可能となったのではないでしょうか。
★続きが知りたい方は…アーカイブ配信受付中
新しい事業を始めたい、新商品/サービスの開発に取り組みたい企業にとって、ヒントとなるお話が盛りだくさんのセミナーでした。詳細をご覧になりたい方は、7月19日までアーカイブ配信を行っておりますので、こちらからお申込みください。
また、今井氏、清水氏が講師を担当する「デザイン経営スクール」についてはこちらをご覧ください。
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