HOST(宿主)論

先頃、「パラサイト」という題の新作映画で、アカデミー賞となったポン・ジュノ監督、
以前、HOSTという英題で映画を撮っていました。パラサイトが寄生なら、ここでいうHOSTというのは、寄生する相手つまり『宿主』のことです。
そんな題名の映画、覚えがないな、と思われるのは道理です。日本では「グエムル」という題名になっていました。

先日、監督が日本へプロモーションで来て、記者会見した折、その「グエムル」の名前が、記者からの質問で出ました。
わたしも、この視点で聞いてみたいと思っていたことがあり、興味深い記事を読みました。

https://www.cinematoday.jp/news/N0114176

日本では、公開時には大コケだったのですが、「グエムル」は現代そのものを描いていて、
当時見てからも、何度も思い出す作品です。
今こそ、見返してもらいたい作品です。

出てくる怪物は身長3m弱。怪獣映画を見慣れた私たちからすると、チャッチイのです(だから日本ではウケなかった、とされているのですが)
が、それはスクリーンの外側から見ているとで言えること。
3m弱の怪物が、都市の地下(下水溝)を出たり入ったりし、いつまで経っても正体がつかめないことで、住民の疑心暗鬼を産んでいく様が、リアルでした。
おまけに、未知の病原体の「宿主」だとの噂が流れて、誰もその病原体自体を確かめてないのに(単に風邪が流行り出した、という理由だけで)、諸機関の思惑も重なり、パニックを助長する。

監督がどの程度、予見していたのか、わかりませんが、
あまりに、いまの現実とリンクしています。

#ポン・ジュノ監督 #宿主 #新型肺炎

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