ブルーグリーンの文明

先日、四日市市にある、四日市公害と環境未来館を見学した。展示の一角に、公害発生の頃に郊外に拓かれた市営住宅の一室を再現してあった。年代でいうと、昭和35年ごろである。

モデルになったのは、高花平団地のスターハウスの一区画。
スターハウス、上から見ると、針時計の0時と4時と8時の3方向に張り出している、今は見られなくなった贅沢な集合住宅だ(どの区画をとっても二方向に窓を切れるので、日当たり・風通しがいい、という訳)。
そんな、若いご家族にとっての夢の住まいに、ちょこんとあったのが、この扇風機。

展示解説のボランティアさんが、言われる。
「これ、何という色なのでしょうね」

自然にはなかなか見られない色。
手元にある『色のことば選び辞典』を探すと、ホライズンブルーという色が一番近いだろうか?

この色が、プラスチック製品や家電製品によく使われていた、とのボランティアさんの言葉に、思い至る。実家の洗濯機もこの色で塗装されていたっけ?
ヒトが新しく作った、文明の産物、と主張するのにいい色だったのだろう。
自然にはなかなか現れない、鮮やかなこの色は、今見ても、目が覚めるようだ。

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