美濃赤坂トリコロール伝

3月1日
里帰りの戻りに。
大垣市市街地の北西、赤坂という町の北に、山肌を露わにした小さな山がある。
東海道線の車窓からも目立つ、モヒカン状態の姿。
この山、金生山(きんしょうざん)という。

どこにでもある町の裏山のはずなのだが、一枚土を剥いだその下側の白い岩が、ある時から大人気になった……石灰岩、そして時々大理石も出る!
……と、西から東から石を切り出すうち、真ん中の尾根を残して、こういう姿に落ち着いている。
さて、石灰岩。
我々の遠いご先祖様……まだ水中から出られなかったころの、種も遠く隔たるご先祖様の『お骨』である。キレイ溶けて岩になり切れなかったものも、岩の中に残る……、そんな化石の名所でもある。化石、というと、ニンゲンみたいに骨があって、という、大型は虫類なんかに注目向くけれど、ここではもっと遠く昔の生き物の痕跡が見つけられる……というか目についてしまう。たとえばフズリナ……ひとつの細胞を守るための、迷路パズルっぽい凸凹した壁あるいは殻。それが石の表面で模様になっている。
そんなわけで、小さな化石の山なわけで、化石館という館まで、山中に建ててある。
早速入ってみた。
飾り気なく、職員さん一人と地元のボランティアさんらしい3人とがおられ、
あとは、パネルと石の世界。
ただ、ありがたいことに、展示館には珍しく、写真を撮るのがok、大理石とともに掘り出される様々な鉱物の標本も、写真に撮って残せる!

そんな中、色鮮やかな3つの標本。キレイにトリコロールが揃ったわけでありました。

続、金生山。
山の天辺には、明星輪寺というお寺がある。
その境内も、石灰岩の大岩が並び立つ。
山門の看板に、ヒメボタルが境内に現れる、と案内があって、その飛び交う様を大きな写真にしてある。
ホタルが?
辺りに谷川もないのに?

よく知られている通り、ホタルの幼虫は、巻貝を食べて大きくなっていく。川がないのに、貝が?
……いるのですね、貝が(リクガイといいます)石灰岩でカルシウム分を食みながら生きていってるようなのです。

思えば、石灰岩は、太古の海に積もった、生き物たちのカルシウムの殻がおおもと。
その岩で自分の殻を作る、という輪廻……壮大です。

#今日出会った色 #地学 #色素 #岐阜

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