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#140字小説『神もまたひとり』

あるとき私はライオンになっていた。

サバンナを駆け巡り群れから離れたオカピを狩る。

あるとき私は荒ぶる神になっていた。

堕落した人類を滅ぼすために大波を地表にあふれさせた。

そして私はその波に溺れる人間の一人だった。

水面に浮かぶ丸板を恋人に譲って、次は何になろう?

せめて誰かと一緒がいい。