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#140字小説『幸福な世界に咲いた花』

俺は女なんて知らない。

まぶたの裏のイメージだけで事を済ませる。

その相手に性別はない。

そこにあるのは真の平和だ。

営みへの煩わしさもなければ傷つく相手もいない。

そうやって40年が過ぎ去ろうとする頃には俺の心にひとつの花が咲いた。

明るくて優しい柔和な花が。