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#140字小説『光の乞食』

光り輝くものには手も触れられない。

いつもショーウィンドウを隔てたように勝者の笑顔を眩しく眺めていた。

やっと自分の番だ。

ようやく手に入れたチャンスを掴んで都会へ出る若者。

そして誰一人友達も恋人もできず精神は病んでいく。

面会室で温かく迎える両親に想う。

自分はここでしか生きれなかったと。