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川柳で若い世代にエールを送りたい 23/2/26

1.川柳の一言コメント

「益虫で居ます 小さな蜂ですが」

 一般的に人は、心の底で「(悪い人ではなく)良い人でいたい」と願っていると思います。そして、出来れば「世の中の役に立つ人間になりたい」と願うのではないでしょうか。

 例えば子供の頃の将来の夢で「プロ野球の選手になりたい」とか、「医者になって病気を治したい」とか思い描いたとき、それは自分の夢ですが夢を達成する事により世の中の役に立つ人にもなっています。

 漫画やフィクションの世界では、子供の頃から泥棒や詐欺師になる事を夢見る話はあります。しかし現実社会では、人は支え支えられて生きていますから、社会の一員として何かしらの役割を担って、その役割を果たす事で他人を支え、他人の役に立とうと無意識に考えているのではないでしょうか。

 しかし、世の中は自分の思い通りいきません。様々な障害にぶち当たったり、自分でミスをしたり。その結果、「なんと自分は、何もできない小さな存在なんだろう」と、落ち込むことがよくあります。

 しかし、そんな時でも「良い人でいたい」と願うものではないでしょうか。

2.私の経験で思う事

 子供の頃に思い描いた夢をそのまま実現できる人は少数派だと思います。成長するにつれて自分の能力や、自分が置かれている環境が分かってきて、現実に合わせた目標の軌道修正や変更をしながら生きているのではないでしょうか。

 私もその一人です。小学生の頃は「科学者になりたい」という夢を持っていましたが、親から「大学には行かせられない」と言われて、アルバイトをしながら大学に通う覚悟も自信も無く、商業高校入学と同時に科学者の夢は消えました。

 高校生で具体的な将来の夢を思い描けず、食って行くための就職先に銀行を選びました。但し、志望理由として「経済が良く分かるから」と、銀行向けの内容を書きました。その時は、自分でそういうふうに思い込もうとしていたのでした。

 銀行に就職して仕事に慣れてきた頃、「作家になりたい」と願うようになりました。文章能力を磨くために随筆の通信教育を受けながら、小説の新人賞に応募しました。しかし結果は一次審査も通らず散々でした。

 但し、お情けか出版社側の都合か分かりませんが、通信教育を受けていた日本随筆家協会の賞を頂き、随筆集を発刊しました。まあ、本はすぐ絶版になり、今は日本随筆家協会も無くなってしまいましたが。

 銀行員からライターに転職したくて、いろいろチャレンジしました。シナリオの勉強をして公募に応募しました。今ほどSNSが発達していない頃、「PJニュース」というインターネットのニュースサイトに記事を投稿する市民記者にもなりました。

 しかし結局、「物書き」として食っていくレベルに達する事が出来ずに今に至っています。小さな目標を達成した事はありますが、夢は実現できていません。能力不足、努力不足なのでしょう。何としてもやり抜くという意志の強さのも足りなかったと思います。

 銀行の仕事は、嫌だ嫌だと思いつつ、生活のために約27年続けました。出世しませんでしたが大病もせずに続けられたのは、ある程度の適応能力があったのでしょう。何も無い人間は「身体が資本」と、常に考えていました。

 私は、普通に仕事をして納税してきましたから、普通の人として少しは世の中の役に立っていると思っていますが、人より優れてはいません。
「可もなく不可もなく」というレベルですが、自分に出来る範囲で人の役に立ちたいと考えています。

 まだ寿命が残っていますから、これから先、何か成果を出せるかもしれないという思いはあります。この程度の私の経験が若い世代の方々の参考になるかどうか不明です。役に立つと感じる方だけ参考にして下されば幸いです。

3.瀬川さんの絵

 漫画家の瀬川 環さんが、この川柳からイメージした絵を描いてくれました。

益虫で居ます 小さな蜂ですが

 瀬川さんは、蜂が生物として特別好きだそうです。働きバチの小さな命が巣の為に皆で協力している様子や、個を超えて一致団結している様子、自分の命は短いけれど次の世代に繋げようとする姿等に胸を打たれるそうです。

 とても可愛らしい絵に仕上げてくれました。小さな蜂たちがみんなで力を合わせて子育てしている様子がよく表れています。蜂の子がハート型というのも良いですね。私はこの絵が大好きです。

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