川柳で若い世代にエールを送りたい　23/1/25

1.川柳の一言コメント

「愛して欲しいだから愛しているの」

　「愛する」の意味を手元の広辞苑で調べてみると、①心がひきつけられ、慕う。いつくしみ、かわいがる。②特に異性間で、相手を慕う。③すきこのむ。等の意味があります。この川柳では、②の意味ですが、自分が相手を愛すると同時に、相手にも自分を愛して欲しいと願っています。

　この川柳は「愛しているのだから愛して欲しい」ではありません。「私が愛しているのだから、あなたも私を愛してよ」と迫るのではなく、「あなたが愛してくれるまで、私は愛し続けます」と、相手の気持ちを尊重しているのです。でも、やっぱり私も愛されたいと・・・。

2.私の経験で思う事

　人を愛しても、その人が自分を愛してくれるとは限りません。私の経験は大半が片思いです。また、一時的にうまくいったと思っても、お互いの思いが食い違い、結局うまくいかなかった事もあります。ピッタリの相思相愛はありません。

　また、もったいなくて申し訳ない事をしたケースもありました。私に好意を持ってくれていたであろう方に、様々な事情で応えられなかった事です。

　相手の方には幸せになって欲しいと望みますが、同時に自分も幸せになりたいと願います。愛されるための私の努力を、相手の方がどう受け止めるかは相手の方の感じ方次第です。私の想い通りにはいきません。うまくいかなくても仕方がありません。

以下に、愛に関する故人の言葉をランダムに記します。(大切なことに気付く365日名言の旅　より)

大切なことに気づく365日名言の旅(ライツ社)

愛とは、人間という謎に満ちた独特の存在が、不思議に融け合っていくこと。　　　　　
　　―――ノヴァーリス(小説家)

一度も愛したことがないよりは、愛して失ったほうがどれほどましなことか。　　
　　―――アルフレッド・テニスン(詩人)

愛されないのは悲しい。しかし、愛することができないというのはもっと悲しい。
　　―――ミゲル・デ・ウナムーノ・イ・フーゴ(哲学者)

愛する者は、愛される者より、愛の近くにいる。
　　―――ジャン・ジロドゥ(劇作家)

愛とは、決して後悔しないこと。　　―――エリック・シーガル(作家)

自分自身を愛する事を忘れるな。
　　―――セーレン・キェルケゴール(哲学者)　　

　愛する心は美しいものです。愛する心を失くしては、日々の生活が楽しくありません。男女の愛に限らず、この世がもっと多くの愛に溢れていたら、争いはずいぶん減ると思います。

3.瀬川さんの絵

　漫画家の瀬川　環さんが、この川柳からイメージした絵を描いてくれました。

愛して欲しいだから愛しているの

　瀬川さんは、この川柳の絵を描いて下さったとき、
「親子でも夫婦でもペットでも色々情景が見えて好きな川柳です。文通だとより滋味深く味わえたのでこちらの絵になりました」
と、コメントをくれました。

　女性が読んでいる手紙には、どんな事が書かれてあるのでしょうか。この手紙は女性が書いたもので、これから出すのでしょうか。それとも、男性から届いた手紙で、これからどうしようか考えているのでしょうか。

　絵を見て想像が膨らみます。すごく綺麗に丁寧に描いてくれました。