臨採日記【読解力】

葉月二十日あまり、
世はさかしら読解力なむ話題多かる。

『ごんぎつね』は、いふべきにもあらず
算数の「掛け順」にても、
互いに互いの読解力のいかんを争ふに、
翁、選択肢は多かりなむを良しとするゆえに
「かように考えるべし」の収束を好まず。

それ、頭のかたきに会ひて
みづからも頭をかたくなにせば
いづこに読解力たるもののあらむや。

解釈の次第を広げ居て
「この場にてのみ」
とぞあるや。

さもあらず
「永遠にして不易なる常の」
とのたまふなれば、
甚だ、もののあはれを存じあらざることと覚ゆ。

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