臨採日記【氷河期】

葉月のつごもりほど近く、
就職氷河期の人員とかや
経済活動に縁遠きなどと聞く。

さもありなむ。

くはへて、
世に言ふなる団塊の世代の
務めの終はりゆく時なれば
ありとある職務現場に
人手の減りゆくを憂へすと言ふ。

悲しきは、
このさき、氷河の人どもも老ひを向かふるに
国の銭にて養ふこと難く、
またそれら
年寄に厚きよりも若きへ優先が移りゆくものとて
働きもなく、
貯へもなく、
養はれずもせぬ、
さうした世代になるべきことぞ。

翁は世代の異なれども
身の程、常勤を経ずにありければ
白き灰に燃え尽きゆくやうなる今生なりや。

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