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フランス歌曲

フランス歌曲といえば、
国立音大時代に聴講した
ジェラール・スゼーの公開レッスンを思い出す。

とても柔和な方で笑みを絶やさず、
そして氏の持っている表現の引き出しを
惜しげもなく公開されていた。

歌う時も「力一杯!」といった
気合の入った歌い出しではなく、
スーっと滑るように、
そう、まるで日産のセドリックとか
グロリアなどの高級車の発進のように、
そして常に余裕を残しながら
美しいフレージングを繰り出していく・・・

「優れた歌曲の演奏は
極上の宝石のように美しく輝く」
ということを、
氏から教わったように思う。

以来、
フランス歌曲やフランスのオペラには
ちょっと特別な思い入れを持って接している。

キャンディボンボンが飛び出すような
楽しい演奏会も好きだけど、
ド迫力の「声のバトルロイヤル」という趣向の
オペラアリアの競演も大好きではあるけれど、

ふかふかのベルベットの上に置かれた
極上の宝石を眺め、
その美しさに溜息をつき、
思わずシャンパンとチョコレートで
乾杯したくなるような、
そんな演奏会を企画してみたいな。

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