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舞台メイクの変化

ほう、なかなか興味深い。

ちなみに記事に掲載されているメイク写真、
画面を拡大すれば確かに
Afterのメイクの方が自然に見えるけど、
画面を縮小して見た場合はその逆で
Beforeの方が圧倒的な存在感を持ち
表情も客席に伝わりやすい。

Afterの方は遠目に見ると
極めて日本的な、
博多人形の顔に見えるのだ。

表情を抑制しつつ
二次元的な様式美で踊るには
Afterの方が有利だが、
あくまで劇場空間の中、
三次元の舞台で踊るとなると
Beforeの方が有効性が高いと
私は思うけどね・・・


これを見て連想するのは、
古谷三敏のコミック
『寄席芸人伝』で紹介されていた
落語界の表現技法の変遷。
(確かいくつかの話に分けて
紹介されていたと思う)

江戸期の小さな小屋で
落語が演じられていた頃は、
落語家と観客の距離も近かったため
ちょっとした目線の流し方とか
口の端の動かし方で
細やかな人物表現や
微妙な心理表現を作り出していた。

ところが明治以降、
公演の規模が徐々に大きくなり
客席数百以上のホールや劇場などでの
公演機会や公演需要が増えてくると
これまでの細やかな表現より
大振りな演技・デフォルメされた演技の方が
会場の隅々まで表現が伝わるため
客席からのウケが良かったらしい。

それがまた、
戦後のテレビの時代になると一変する。

テレビでの全国放映を前提として
カメラのズームアップ撮影が可能となり、
細かな表情やしぐさなどが
再び脚光を浴びるようになったそうだ。
(勿論、その手法が途絶えていたという訳ではない)


メイクやしぐさも含めた舞台芸術での
「表現手法の歴史」というものを調べていくと
興味深いエピソードが幾らでも出てくるので面白い。

‥‥こういうのを考えるのって、
  好きなんだよなあ・・・(ワハハ)

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