一大叙事詩は嘘じゃない!ジャニーズの魅力はストーリー性
ジャニーズはストーリー性が魅力なんだ、と書いているnoteを読みました。これ、私もそう思います。ジャニーズって漫画みたいなんですよ。そのアイドルの物語を楽しんでいるところがある。
そう言えばSnow Manがデビューした直後くらいなんですが、テレビで例のジャニーズ大好き男性アナが「ジャニーズは一大叙事詩なんですよ!」と熱弁を奮っていました。叙事詩というとギルガメシュ叙事詩とかオデュッセイア、ニーベルンゲンの歌、ベーオウルフとかですよね。壮大。叙事詩は言い過ぎかもしれませんが、ジャニーズファンが楽しんでいるのはそのグループやそのアイドルのストーリーだというのは事実だと思います。
これがパフォーマンス至上主義、スキル至上主義の人からするとピンとこないと思われる、「歌別に特別上手くないしダンスも特別うまい訳でもないし顔がそこまでかっこいいわけでもないジャニーズを好きになる理由」の大きな部分だと思います。我々は物語を愛している。
例えばSnow Manのふっか、深澤くんを見てみましょう。彼、正直特別かっこいい人ではないです。大学にいそう。ぶっちゃけジャニーズデビュー組の中では顔はかなりイケていない部類に入ります。歌も正直別に上手くはない。目立った音痴でもないので普通くらいですけれどうまいわけではない。アクロバットは上手です。ダンスも上手い。でも「ジャニーズで一番ダンスが上手いといえばふっかでしょ!」とはならないし、アクロバットも岩本くんとかさっくんとかいますからね。ジャニーズ最高のアクロバット技術というわけでもない。でも彼には熱量高いファンがたくさんついているわけです。
ふっか、同期としてはHey!Say!JUMPの山田涼介、A.B.C-Zの橋本良亮、同じSnowManの阿部ちゃんがいますね。入ってしばらくするとJ.J.Expressというジュニア内ユニットに選ばれます。
ジャニーズJr.にとってジュニアのグループに入るのって大事なことなんですよ。ここに選ばれると一歩前進。デビューが近づきます。このJ.J.Expressはキスマイの前身グループであるKis-My-Ft(2がつかない)の弟的立ち位置として始まり、メンバーは変遷してるんですがメンツを見ていると中島裕翔とか玉森裕太とかが一時期加入しています。最終的にはやめた人を除くとJUMPの高木くん、有岡くん、伊野尾くん、えびのはっしー、そしてふっかとなりました。すごい。残っている人はみんなふっかより先にデビューしてしまったわけです。2007年にHey!Say!JUMP、2012年にA.B.C-Z。SnowManのデビューは2020年なので、ふっかは仲間がデビューしてから8年もバックダンサーをしていたわけです。かつての仲間の後ろで。
SnowManがJUMPやえびのバックやってたかは知りませんが、キスマイのバックはやっていましたね。同じグループだった仲間、友達の後ろで踊らないといけないわけです。衣装がえを手伝い、フライングのフックをつけて、なんならセットの移動もやって、水を使った演出があったらモップをかけるわけです。
まぁ、ジュニアの中にもランクがあって、上の方のジュニアになればやる仕事は変わってくるわけではあるんですけどね。
それにジュニアも長いことやってると辛くなってきます。
ジャニーズって良くも悪くも注目されて、ジャニーズアンチメディアとかあるので意地悪な記事も書かれたり、意地悪なアンケートも取られてしまう。「デビューできなさそうなジュニアランキング」とかね。余計なお世話ですよ。「アラサーなんだったらもうジュニアじゃなくない?」とか言われるしね。居た堪れないですよ。
ジャニーズって入れば自動的に何の努力もしなくてもデビューできるってわけじゃないんです。一部スーパーエリートもいますよ。V6の岡田くんとかね。明らかに輝いていてその子のためにグループを組んでっていうケースもある。でもそれはレアケースです。大半のジャニーズジュニアは長い下積み期間の中でシビアに選抜され続けるわけです。しかもオーディション番組とは違うからはっきり言われるわけでもない。同期が呼ばれた仕事に呼ばれない、同期で入った友達の立ち位置が自分より良くなる、同期の衣装が自分より良くなる、とかそういうことから自分で感じとるわけです。あ、俺推されてないな、とかあいつは推されてるんだな、とか。去年は同列で同じ仕事してたのに、今は俺だけ呼ばれない仕事とかあるなぁとか。
そしてその内同期どころか後輩にも抜かれたりするんですよね。これはふっかではなくてふっかより年下の岩本照くんがドキュメンタリーで言っていたことですが、岩本くんより全然年下で後に入所したキンプリが舞台のメインをやることになったわけです。そしてバックがSnowMan。岩本くんは「素直におめでとうっていう気持ちと、俺は何やってんだ、と思った」と話していました。ふっかなんてそれ以上のはずですよ。だってもっと年上だし、抜かされたきた人の数も多い。
もちろん苦労だけだったら好きにはなりませんよ?不幸自慢じゃないんですからもちろんいいこともファンは一緒にお祝いしている。例えば、グループが結成された!J.J.ExpressはダメでもMis Snow Manというグループがありましたし、それは後にメンバーの変更があって6人のSnowManになった。その間には例えば先輩のお下がりじゃないオリジナルの衣装をJr.時代に作ってもらえたり、オリジナル曲のZIG ZAG LOVEができたり、滝沢歌舞伎でもらえる役がいい役になったりもした。YouTubeが始まったり、Jr.時代に横浜アリーナ単独公演を成功させたりもしました。
数年前のジュニアって兄組と言われている人たちが四組いたんです。SnowMan、SixTONES、ちょっと彼らより平均年齢低めのTravisJapan、そしてグループ全員で辞めてしまったLove-tune。Love-tuneはふっかよりさらに年上のメンバーもいました。辞めた時期がキンプリのデビューと近かったので、かなり年下のキンプリのデビューが退所の決断に何らかの影響を与えたんじゃないかと憶測した人も多かったわけですが、戦友でもあったLove-tuneが辞めてしまったことがふっかにとって何でもなかったことはないと思うんですよね。キンプリデビューが2018年5月、戦友のラブが辞めたと発表されたのが2018年11月末。同じ時期にSnowManの元々のメンバー6人に増員が発表されますが誰が入るかはまだ分かっていなかったそうです。
ふっかも他のメンバーも微妙だったと思いますよ。元々やってきた6人だけだと足りないと思われて、それでテコ入れだっていうんですから。誰が入るかも何歳なのかもわからないし、ひょっとしたら元々いた人たちはセンターではなくなって添え物みたいな扱いにならないとも限らない。でも受けないわけにもいかないですよね。会社員の部署の人員増とか人員削減みたいなもので会社に属している以上友達じゃあるまいし嫌とも言えない。嫌ならやめるしかない。それで翌年ラウール、めめ、向井康二が入ったわけです。そしてふっかは下積15年と数ヶ月でようやくデビューできたわけです。恐らく入所した時には想像もしていなかったメンバーと。
20代後半が多数を占めるメンバーの中に高校生で有名ジュニアでもないのに1人入れられてセンター貼ることになったラウールにもドラマがありますし、宇宙Sixと兼務することになった目黒にもドラマがありますし、一度はまるでデビューを諦めたみたいだった、なにわ男子の選抜にもれたけど突然東京の有名ジュニアグループへの異動が決まって引っ越しすることになった向井康二にもドラマがあります。でもこれ特別SnowManがドラマチックなグループというわけではなくてジャニーズみんなドラマがあるんですよ。
例えば、アップとダウンを両方書くとしんどいのでダウンだけ書きますけど、SixTONESはバカレアからずっと人気ジュニアグループで、次デビューするのはここだと言われ続けたのになかなかデビューできないしメンバーの田中樹はデビューしていたお兄ちゃんが警察沙汰になってしまって辛かった時期もあったし、なんか番組でSnowManと一緒にキンプリの添え物みたいな扱いになった時期もありました。
NEWSはいわゆるバレーデビュー組で、最初からずっと注目されていて下積みが長い人がいないエリートグループ。9人でデビューしたのに色んな理由で3分の1になって、解散が選択肢として挙げられたこともあったけれどそれでも頑張っているんですよ。デビュー曲とか当時のやつ聞くとほんと慶ちゃんの歌割り少ないなあ〜ってなりますね。歌割り無茶苦茶変わってます。昔のMVとか今のメンバーあんまり映らないんですよ。山Pやめちゃってどうなる?ってなって、真ん中にいる人ほどいなくなってしまうの何でなのかなぁ。でも4人で頑張ろうってなってチャンカパーナ出して、それで美恋魂。あの時のみんなの涙。美恋魂の時のあの気持ち、手越忘れちゃったのかなぁって、今でも思ってしまう。
えびの五関さんは衣装合わせまでしたのにどこだったか忘れましたがどこかのグループのデビューメンバーに結局選ばれないっていう過去を経てのA.B.C-Zのデビューだし、はっしーはジュニア時代同じグループだったメンバーのほとんどがHey!Say!JUMPになったのに自分は選ばれなくて、そしたら何故かアクロバット集団のA.B.C-Zにアクロバット別にできないのに加入させられてセンターになって大変だった。ラウールと同じですよね。既存のファンにはどうしても複雑な顔されてしまうし。
関ジャニの横山くんはお家がそんなにお金持ちではないから弟さんの学費払ってたしジュニアの頃は、確か建築業だったかな?働きながらジュニアをやっていた。ジュニアのお金だけだとやっていけないので。あとデビューしたころ賞味期限切れのお弁当出されてたの関ジャニですよね?メインボーカルのすばるくんが音楽本格的にやりたいって辞めてしまったしヤスが大きな病気をしたことは最近なのでみんな知ってると思います。
キスマイの藤ヶ谷くんはKAT-TUNの前身グループにいたけれどKAT-TUNには入れなくて大学みんなが就活してる時にもまだジュニアで、親にもどうするんだって言われて、自分より年下のHey!Say!JUMPが先にデビューしてしまったんですよ。玉森くんもJUMPのコンサートのバックにジュニアとしてついたことを悔しくて悔しくてたまらなかったって言ってたなぁ。JUMPのデビューは結構なジュニアに衝撃を与えていて、えびの河合ふみきゅんもJUMPのデビュー発表されてつらくてお風呂で泣いたって言ってましたし、JUMPのMVか何かでバックやることになって急に全部どうでも良くなってそのまま仕事をサボってしまったって話をしてました。平成生まれのデビューは昭和生まれのジュニアにはしんどかったわけです。キスマイは格差売りも酷かったし。あの時期の4人のファンはどんなに辛かったか。最終的にうまくいったけど舞祭組も私は最初嫌だったな。かっこいいのになんでブサイクなの?ってどうしても思った。今はいい形になって本当に良かったと思えますけど。
ジャニーズWESTはあれですよね、7人でデビューするよって言われたのにカウコンでは4人でデビューになっちゃって、デビューが急に無くなったことを3人はテレビをみて知ったわけです。で、落ちたメンバーもデビューに残ったメンバーもジャニーさんや事務所にお願いして説得して当初の7人でデビューになりました。
SexyZoneは所謂入所して短い期間でデビューしたエリートデビュー組です。が、ジュニア歴短すぎるしマリウスくんとか子供すぎて熱心なファンがついていない状態でのデビューでCD売れないし、右も左もわからないしで苦労してました。菊池風磨はジュニア時代のグループじゃないことがショックでメンバーに小学生がいるしで戸惑ってたんじゃなかったでしたっけ?セクゾ担はよく「セクゾは高校生2人が子育てしながらやってきたグループ」みたいなこと言いますけど、これもまたSnowManとは違う種類の苦労ですよ。
キンプリも若くしてデビューしたしデビューからヒットしてるしジュニア時代もふっかほど長くはなかったので苦労してないように見えるかもしれませんけど彼らも色々苦労してるわけです。例えば関西から東京にきた平野くんと廉くんとかね。髙橋くんも苦労したはずです。ちょっと年下ですし、3人組のうち2人は関西から一緒で自分だけ違うんですから。Princeも大変だったと思います。Kingの方が常に人気ちょっと高くて。KingとPrinceのVSやってた時なんて先輩が添え物みたいな感じになってて裏でどうやってたんだろうって思いますよ。スノストデビューの時のコメント見ても大変そうな感じが滲み出ている。偉そうだと思われないようにお祝いのコメント出してるのが本当に大変そう。入所からの歴で言えば圧倒的に先輩だけれどデビューで言えば後輩になる相手って、本当どうしたらいいんだ。
気になったジャニーズいたら調べてみてください。みんなめちゃくちゃドラマありますから。よく知らない人もいますけどみんなそれぞれいろんなドラマを抱えて、それでも顔では笑ってテロテロのパジャマみたいな衣装着たりして踊って歌ってるんですよ。ジャニーズ尊い。そして悔しさとか憧れとかいろんな気持ちを抱えながらバックを務めているジュニアがいつの日か、13年とか15年かかるかもしれませんが下積みが報われてデビューするわけです。ファンはそれをみてきてるので、愛情が深いんですよ。だって愛してるのはそのアイドルの人生なので。友情とか憧れとか葛藤とか焦りとかね。そしてその物語が続いていくんですよ。KAT-TUNに入れなかった、JUMPに先を越されたキスマイ、のバックをずっとやっていたSnowManが長い下積みを終えてようやくデビューしたり、山田涼介くんに憧れて入所したアイドルに憧れて入所したアイドルに憧れて入所するジュニアが出てきたりとかね。息の長い大手事務所だからこそ物語の登場人物が多くて繋がっている。
物語の面白さってアップとダウンの高低差でできるんですけど、辛い悲しいことばっかりでもだめ、でも幸せだけでも飽きてしまう。いろんなことがあって、それを乗り越えたり耐えたりして嬉しいこともあってニコニコ輝く笑顔を見せて歌ったり踊ったりしているアイドルが感動なんですよ。それはふっかだけでなく全てのジャニーズがそうです。そしてジャニーズは下積みをつらそうに話さない。努力は陰でするもので、「ほら僕たち努力してるでしょ?偉いでしょ?」とはやらないわけです。汗をかいて頑張ったことは匂わせないでステージではキラキラスマイルでやり遂げるのがジャニーズです。だってアイドルだから。だから下積みのつらさもみんな大体ただ辛いというだけではなくて冗談みたいにして話しますよね。それもジャニーズのいいところだと思います。アイドルはキラキラしてるもの。涙はたまに堪えきれなくなった時にちょっと見えるからかっこいいんですよ。初めてのドーム公演とかね、暫くぶりのツアーのアンコールとか。泣き虫なのが可愛いアイドルもいますけど。
もちろん途中で去っていく人もいます。デビューできなくて、干されて辞めてしまって、美容師になったり不動産の営業やったりバーを開いたり、はたまた他の事務所で頑張っている人もいます。超特急とかね。JO1とか。今の日プSeason2に田島将吾でてますけど、彼辞めジュですよね。一位争いをするような人気らしくて驚いています。
いろんなドラマを楽しむのもジャニーズの楽しみ方の一つです。