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毒入りチョコレート

こういう事件があったんですよ。

ある男が妻にチョコレートをプレゼントしました。2人でこれを食べましたが、妻の方がたくさん食べて、夫はあまり食べず数個でよしてそのまま外出した。夫は出先で具合が悪くなり、妻は自宅で体調急変。夫は助かったものの妻はそのまま死にました。チョコレートの中からは毒が見つかった。ところがこのチョコレートというのは夫が知り合いの男性から譲り受けたもので、その男性はチョコレート会社から新作なので食べてみてくれと送られたものだった。しかしもちろんチョコレート会社はそんなものは送っていない、というのです。

さて、この事件、犯人は誰なんでしょうか?誰を狙ったものだったのでしょうか?

アントニイ・バークリー作、「毒入りチョコレート事件」読みました。これ、色んな推理好きな人(法律家、劇作家、推理小説家等)のクラブでこの事件についてそれぞれ一週間考えて毎日発表するという形式です。6人でやって6通りの推理がある。その面白さですね〜。

割と読みやすいんですけどキャラクターの台詞回しが凝りすぎていて時々飛ばしたくなります。特に刑事弁護士と劇作家の喋り方はくどいくどい。推理としてはなるほどな〜という人もいればこんなの間違いなの誰でもわかるだろという人もおり、またこういうクラブだとこういうこと言い出すやつ絶対いるよなという人もいてなかなか楽しいです。

最後になされる推理が一応の正解ですね。自分なりの推理を持ったうえで読んでみると面白いと思います。毒入りチョコレートって魅力的ですね。結構よく推理小説で出てくるアイテムですけど、それゆえにクラシックな趣があって良い。