見出し画像

祖母の教え、替えの靴下のこと。

近藤です。

今週は雨が激しい地域が多かったですね。山の我が家周辺も夜中に目が覚めるほどの大雨が何度か降りました。金曜日の夕方には美しい夕陽が出た上に山の緑も生き生きしてそれはそれは素敵な景色でしたが。

昨日はパンプスに水を跳ね上げないように気を付けながら歩いたのですが、綺麗な夕焼け空ばかり見ていたので小さな水たまりを踏んでしまって足元が濡れてしまいました。

こんな時には足元の友の出番です。

子どもの頃から今日まで私の鞄には普段から足元の友が入っています。何かと言うと、替えの靴下にストッキング、ビニール袋、タオルです。雨の中を歩いた時や、どこかで足元が汚れた時、それから学校帰りに寄るピアノの先生のお家へ上がる時、靴下を履き替えなさいね、と祖母によく言われました。これって利久さんの教えなのでしょうね。

私も当然のように子どもたちに足元の友を持たせていますが、履き替えるとそれをずっと鞄に入れっぱなしにしていたり、こっそり置いて出かけたりしているので、この習慣が途切れるのは時間の問題だな、とちょっと寂しいところです。

けれども私の人生ではずっと大活躍の足元の友なのでよしとしましょう。ただ困ったところもありまして。外出の際、ちょっとでも足が濡れると「靴下を変えなくちゃ」と気になります。誰かのお家にお邪魔する時も「ちょっと失礼します」とストッキングの上から靴下を履くのですが、今ここで背中を丸めて靴下を履いてる私ってなんだか間抜けだろうなあ、と毎回思います。

言っても詮ないことですが、スマートな靴下の履き方も伝授しておいて欲しかったです、利久さん。


足元の友を持たせた張本人の祖母の鞄にもいつも一式が入っていました。それは晩年、リハビリテーションへ通う際も変わりませんでした。先生に足を持ってもらうのだから歩いてきた靴下だときたなくて先生に悪いでしょ、と言っていました。

そして亡くなった後、鞄を見たらやっぱり綺麗にたたんだ靴下とビニール袋が入っていて、ささやかだけどこういう事に最後まできちんとしてるってなんだかとってもいいなあと思いました。そして、亡くなっても誰かに「こういう風に生きよう」とお手本になるような生活をしていたこともいいな、と。

実際一緒に暮らしていたらそうではない部分もあったんだろうと思いますが、いいところだけを見ていた私にはとても大事なお手本の一人です。

だから祖母のように毎日明日のために丁寧に鞄の中身を整えて。もちろん足元の友も忘れずに。

亡くなった時にクシャクシャのレシートなんかが出てこないように。洗濯し忘れた靴下も出てこないように。

そんなことを思った雨続きの今週なのでした。

では、また。