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老いの音

近藤です。

日常生活の中で何かをうっかり忘れてしまった、というのはよくあること。しかし、夫と私のように年齢が上がってくると、「私たち大丈夫かしら」と思うこともあり、毎度、これが老いなのかもしれないと思ってしまいます。

我が家では夜の洗濯は夫がします。

ある日、朝起きて洗面所の雰囲気が違うと思いました。いつもならお風呂から浴室乾燥の温かい空気が感じられるのにその日はひんやり。心なしか浴室が湿っぽい感じ。戸を開けてみると洗濯物が干されてないのです。洗濯機の蓋が閉じたままで、中にはトグロを巻いた洗濯物が鎮座。

前夜、洗濯をしたまま忘れていたようでした。

若い時ならよくあること、なんて笑っていましたが、この歳になってほぼ毎日やっている事を忘れた、となるとよくあること、とも笑えず。心配だわとも言えず。黙ってトグロをほぐしてささっと干しました。

その後、大丈夫?大丈夫?と思って夫を見ていると全部不安になってきます。前の日など振り返ったりもして。私は自分で不安を作り出すのが上手いですね。

結局、黙っていられず「昨夜の洗濯物、干し忘れてたみたいよ」と伝えたところ「ああ、なんかタイマー鳴ったなーと思ったんよ。漫画読んでて忘れてた」とのこと。

漫画、でしたか。ならよかった。

集中してて忘れてたんならいつものこと。

まだ老いじゃなさそう。

私は安心する材料を作り出すのも上手いみたいです。

では、また。