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慣れない場所ではベンチ

近藤です。

もう6月なのに明け方はまだ寒い山の我が家です。今年は虫の鳴く音があまり聞こえません。朝夕の気温が低いせいですね。

先週はMRI、昨日はCTを撮る機会がありました。問題ないと思うけど少し気になるから検査したほうがいい、と知り合いのお医者さんから言われたからです。

大きい病院へ行くと私はいつも右往左往。そこにいるだけで疲労困憊。新しい病院というのはとても綺麗で、整然としています。ただ、どこも同じ作りで番号を注意深く見なくてはいけないし、曲がって曲がってあっち行ってこっち行って、というのが大迷路ゲームみたいに感じて、受付を終えただけなのに「ああ、一仕事終えました」となるべく人気のないベンチを探してどっと座り込んでしまいます。

最初の検査の後は検査室前のベンチで緊張を吐き出すように座って一息。

次の検査の予約時間までの間、また人気の少ない場所を探して空いたベンチをみつけたらちょっと考え事をしたり、売店で買ってきたナンプレ510に挑戦したり。

まだ次の検査まで時間があるし、と少し院内を歩き、眺めのいい場所にベンチを見つけ、座ってみるといい気分になりました。

しばらくしたら次の検査室近くのベンチでまた一息。ここは向いが救急の治療室だったのかドアが開くたびに中を覗き込むように立ち上がる女性がいてなんだか辛くなり、移動。

最後のベンチは呼ばれたらすぐわかるように少し緊張しながら人気のあるところへ、と数時間の間にいろんなベンチに腰掛けました。

今回、大きな病院でいろんなことがありがたかったのだけれど、ベスト3に入るありがたかったこと、はベンチでした。

これまでは自分の順番が来るまで座って待つためにベンチがあるんだと思っていましたが、病院での検査を経て自分が何かを終えた後こそベンチって必要だと思うようになりました。

身も心も一段落するには座ったほうがいいですね。慣れない場所や出来事に遭遇した時はなおさら。

気持ちの整理をするにも、情報を整理するにも、荷物の整理をするにも(いろんなセクションであれを出したり、これを渡されたりするので)ベンチがあれば大事なことや物を落とさないで済みますものね。

なにより次への一歩のためにも、心の準備のためにもいいなあと思うんです。

立っていると、切り替えの最初のアクションが一歩踏み出す、ですよね。座っていると最初のアクションは「よいしょ」って立ち上がるところからはじめます。いきなり先へ行かず、立って目線が変わってから進む方向へ向いて足を運ぶ方が落ち着いて次へ行ける気がするんです。私だけかもしれないけれど。

これまでどこへ行ってもなるべく座らないようにしていました。早く次に進みたかったから。でも、次に進む前に立ってても座ってても早さにそれほどの違いはないんです。たぶん。

では、また。