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Have a nice trip!

近藤です。

ゴールデンウィークですね。山の我が家では強風でまだ咲いていないツルばらがザンバラ髪のようにバサバサと揺れています。トゲが怖くて今日はそのバラのゲートの下を誰も通りません。

友人を介してチャットモンチーのドラマーとして活躍されていた高橋久美子さんのエッセイ「旅を栖(すみか)とす」という本が我が家にやってきました。一つのところに長くいるのは悪くないけど、どこか他の国に行きたい。新鮮な空気を吸いたいと思っていた時でした。本を開くとサインペンで「Have a nice trip!」と書いてあります。ノックアウトされました。今一番欲しかった言葉だよ、って。

先日、林真理子さんがテレビでいろいろと話をしていました。もう還暦ですから、なんて言ってましたが全くそんなオーラが出ていない。ずっと活躍しているので、もっと上の人かと思っていたら私とそんなに歳が変わらないんだ、とびっくりしました。

彼女は今でも観劇やコンサート、相撲観戦にもどんどんいくし、美味しいものも好きだし、美容やおしゃれにも興味がある。好奇心旺盛で年相応のどっしりした落ち着きもあってなんだかいいなあこの人。自分が若かった頃はこんな人苦手だなと思っていたけれど、今は違います。またもやノックアウトされました。こんな大人になりたいよ、私、もう十分大人なんだけどこっち方面、かっこいいよ、って。

よくよく考えると私は林真理子さんの小説もエッセイも一冊も持っていないにも関わらずほとんど読んでいます。楽しいだけではない女性のちょっとした辛味みたいなものが好きなのです。女性らしい柔軟な発想、とか女性らしい優しさとかそんなもの実は幻想よね、とチクッと口に出すけれど声高に周りを扇動するようなことはない、その強かさもいいな、と。

林さんの話を聴きながらもう一人の好きな人を思い出していました。それは向田邦子さん。言葉が美しくて力強い上に林さん同様文章を「です。ます」ではなく「だ。である」で書く人なのです。カッコいいなあ、と若い頃から憧れていました。

他にも好きだなあと思う文章を書く女性と言えば前述の高橋久美子さん、小林聡美さん、阿川佐和子さん、片桐はいりさん、石井好子さん、田辺聖子さんに瀬戸内寂聴さん、「だ。である」の人たちです。

さて、この「だ。である」私も何度か挑戦してみたけれどすぐ挫折してしまいました。なんだか自分の文章じゃないような気がしてきて気恥ずかしくなるのです。まだまだ言い訳の余白を残したいという邪念が多いっていうか、強い意志が足りないっていうか、肝が据わってないっていういうか。ただ、ここのところ「です。ます」もちょっと居心地が悪くなってきたのも事実。痒いところに手が当たってない感じ。言いたいことがぼんやりしているぞ、と感じます。

もしやこの居心地の悪さは憧れの「だ。である」への旅立ちのサインなんでしょうか。

ここは一念発起して「です。ます」を卒業してみようかな。しばらくいろんなところで挑戦してみてしっくりきたらこの土曜ブログも「だ。である」にします。

ステイホーム。だけどnice tripの始まりだ!

では、また。