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March comes...

3月は嵐の季節である。イギリスの諺では3月はライオンのようにやってきて子羊のように去る、のである。
(March comes in like a lion, and goes out like a lamb. )
我が家の諺では3月のコンサートはライオンのようにやってきて次のライオンと入れ替わる、である。

私の携帯電話の使用時間はそれほど多くない。LINEもそれほど活用していないし、何かと小さいこの魔法の機械は老眼の身にはちときつい。ゆえに今だに家に置き去りのことも多く、子どもから「お母さんに連絡しようと思ったらテーブルの上にあって脱力してしまった」と言われる。

そんな私が昨日は8時間以上携帯電話を使っていた。なんということでしょう、という声が聞こえた気がした。早起きした朝、オーケストラの保護者会からお弁当仮発注数100個、とか水のボトル3ケース×2日分、なんてLINEが来ていたし、お金がどう、楽譜がどう、司会原稿がどう、と電話で話したり、メールのやり取りをしたり。ちょっと楽しみも入れたい、と思って差し入れ大臣任命、お弁当大臣就任のアナウンス、なんてふざけたイベントごともやったのち、1日が大体終わっていた。

こうしてええ感じにオーケストラの事務仕事が終わる頃、娘から「お母さん、みんなのために時間をたくさん使うのもとてもいいけれど、ここからは自分のための時間にしませんか」ととても柔らかい声をかけられた。なんて優しい。1日の疲れを吹き飛ばす言葉。と心で泣いていたら「お母さん、マジで練習せんとやばいよ、ほんと。練習しよ、まずうちの家族からちゃんと弾いてもらわんと」と強い口調で促されてしまった。そう、彼女は昨日の朝、今回一緒に演奏してくれる高校の吹奏楽部と音合わせしてきて、我がオケの演奏に危機感を覚えたらしい。とにかく練習だ、と私の尻を叩き、夕方にはオケのメンバー達に練習せんといかんよ!と呼びかけたのである。

こうして優しくも厳しい練習がスタート。弓の持ち方からである。あんまりできないので娘は困っていた。普段ならきっと怒りたいところだろうが優しく、平静を保って教えようとしていた。にもかかわらず娘の口元が派手に痙攣してしまい、それをみて笑ってしまった私はさらに弾けない。彼女も隠そうとしたけれど隠しきれなかったと大笑いとなってしまった昨夜であった。

こうしてオーケストラのコンサートは刻一刻と迫っているにもかかわらず毎日大笑いに溢れている。代表の先生を中心に広報大臣に財務大臣、楽器運搬大臣、力仕事庁の面々、いろんな大臣たちがそこかしこで大笑いしながら準備をしているはずだ。うちより笑いの多い大臣がいたらちょっと悔しいな、と思っているのだがどうだろう。

ではまた。ごきげんよう。