タイでバイクの免許をとった時の話 Final

後日今日こそは!と決意を込めてリベンジしに行く。

前回同様待合室で試験のビデオを見るところから始まる。コースを暗記するつもりでまじめにビデオを見る。

そして一本橋を渡る試験から開始。こちらはなんなくクリア。問題は次のコースだ。

今回もタイ人から試験は始まり外国人は最後に走る。先に試験をしているタイ人がどこで曲がりどこで一時停止をしているのか必死で確認する。

そしていよいよ外国人チームのスタート。今回は中国人らしき人と西洋人、私の三人だ。今回も私の順番は最後。前回は試験官が前の人との感覚を見ながらスタートの指示を出していたが今回は特に指示なし。適当な感覚をとりスタートしコースを回るが途中前の二人の車間距離がやたらと近くなる。私は気持ち距離をとりながら後ろを走っていたのだがコース途中で完全に前二人の距離が縮まる。するとまた悪魔の叫び声が、、、

「Come back!!」

デジャブか?幻聴か?

私は関係ないとばかりに続けて走っていると腕を組んだ鬼試験官は私の方を見ながらもう一度言う。

「Come back!!」

急いで試験官の元に戻ると車間距離が近すぎるから三人とも失格だと言う。ここで私はプロ野球チームの監督が審判に講義をするごとく「何故だ!!私は距離を空けて走っていた」と猛烈に抗議するが鬼試験官はNO!NO!と首を縦に振らない。

今回は完全に巻き添えだ。私は忘れていた。昔から自分は巻き添え事故に合い易いラッキー体質だということを。。

このまま言い争ってもしょうがないと諦め大人しくその日は帰る。


そして数日後今度こそ!!と意気込み三度目の実技試験を受けに行く。

いつも通り一本橋を渡る試験は問題なく通過。

さぁいよいよ問題のコースを回る時がきた。私の頭の中では欅坂46の「不協和音」が流れている。「僕はYesと言わない。首を縦に振らない、、」

今度こそ何があっても絶対に合格してみせると強い決意でいると受験者にコースの説明をしていた鬼試験官がいきなり私の方を見る。

「そこの日本人こっちに来なさい!」

もちろん日本人は私だけ。何事かとビビりながら試験官の前に進むと

「あなたはこのコースよくわかっているでしょう?みんなに見本を見せなさい」との事。

えー!!!今まで見本なんて見せてる人いなかったじゃん!

でも鬼試験官覚えてたんだ。私が二度落ちていること。。

そして鬼試験官は早くしろ!と私を煽る。

煽りに弱い私はあわててバイクに乗る。しかし見本で走って失敗し、また試験に落ちたらたまったもんじゃない。慎重にバイクを走らせる。

そして一周して教官の元に戻るとウインカーが出ていないからもう一周と言われる。これはなにかの罰ゲームだろうか?

しぶしぶもう一周して戻ると今のようにコースを走るんだと受験者に説明している。そしてバイクから降りて試験官の元に戻った私を見てあなたはもういいから帰れという。

え?また不合格??恐る恐る試験官に質問するとあなたは合格で良いから先に帰って良いとの事。

こうして実技試験との仁義なき戦いはあっけなく幕を閉じた。この適当な感じ何ともタイっぽい。

そしていよいよ免許証の発行。正確な金額は忘れたが100バーツちょっとだった気がする。1バーツ3.4円くらいだと340円ちょっと。安い!!

日本でこの免許を書き換えると普通自動二輪の免許になるので日本で自動二輪の免許をとるより断然安い。

こうして無事にバイクの免許を取得してもうじき二年。今だ無事故だ。これからも安全運転を心がけ大好きなチェンマイを走り回ろう。




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