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「続シャーロック・ホームズ対伊藤博文」松岡圭祐 著 を読んで

最初にタイトルを見たとき、え?シャーロック・ホームズと伊藤博文って何。しかも著者は日本人だし新しい本。うーん、と思いながらもこれもご縁と手にした本。

読んでみたら、ホームズものとして、全く違和感なく、さっと物語に入っていけた。そうか、伊藤博文、ホームズより年上ながら同じ時代なのかと。

実は続とあるように、これは前に書かれた小説の続編なのだけれど、割とそこはあまり気にせずに読み進めた。何しろホームズとワトソンが出てくるのだから、無敵。

細かいストーリーはここで説明はしないけれど、バリツという日本の謎の格闘技は、実はワトソン君が、柔道を間違えてバリツにしちゃったエピソードが出てきて笑えた。

子供向けのホームズモノを読んでるときから、バリツについては、謎の日本の格闘技とあったけれど、柔道かいっていう。まぁそれも、この作者の創作ではあるけれど、妙に納得。

二人が日本に来て、桂太郎や山県有朋に怒鳴られたり、後半、命の危険にさらされながらも、有朋が機敏に動いて窮地を逃れたりする姿に、年は取っても幕末を生き残った猛者たちなんだもんなぁと、納得。

一度は引退したホームズの切れもいいし、ワトソンとのやり取りや活躍も最高。一気に読み終えた。

後記を読むと、私がよく分からなかった事項が、シャーロックホームズの過去の本からの引用だったことが判明して、そうかー、と。

詳しい人には、だからそんな楽しみ方もある本書。順序は逆ながら、前作も早速読んでみようと思う。