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やさしい日本語。

やさしい日本語。

突然ですが、私は「やさしい日本語信者」です。

「やさしい日本語」とは、一般的な日本語を、誰にでも分かりやすくしたものです。
「1文は短く」、「です・ます調で」、「漢字にはふりがなをふる」、「分かち書きをする」など、いくつかのルールがあります。
たまに「全部ひらがな」というのを見掛けますが、それはちょっと違うかなっと思います。

「やさしい日本語」との出会い

初めて「やさしい日本語」と出会った時は、びっくしりしました。
語学コンプレックスの塊でも私は、「外国人との交流=外国の習得」と思い込んでいました。

しかし、実際はそうではありません。
日本に住む多くの人は、簡単な日本語を勉強しています。
難しいことはわからなくても、日常は何とかなるレベルです。(その背景については、またどこかで。)
ですので、その方々が分かるレベルで話せば、日本語で話した方がつたわることが多いのです。上手くない外国語を使って笑われることもありません。
その「分かるレベル」というのが、「やさしい日本語」と呼ばれているものです。


「やさしい日本語」は、日本人側にもメリットが多いです。
1番大きいメリットは、すでに知っている言葉で出来る点です。
新しく単語を覚える必要は、ほとんどありません。
これまでの人生経験で覚えた言葉をそのまま使えます。
もちろん言い換えが必要ですので、「どれだけ類語を知っているか」は、重要なポイントになります。

ルールさえ理解すれば、今からでも使える言語って、なんか夢のようではないですか?笑

さて、詳しいルールなどについては、やさしい日本語講師として活躍されている方にお任せするとして、
私は、「やさしい日本語をいつ使うか?」という点について考えてみたいと思います。

やさしい日本語と翻訳機

先日受講した「やさしい日本語講座」では、次のような使い分けがありました。

フロー情報→やさしい日本語
ストック情報→多言語化

フロー情報とは、すぐに変わってしまう情報です。
例えば天気予報のようなもので、
今は晴れていても、1時間後には雨のように、
常にアップデートが必要な情報を、フロー情報と呼びます。

ストック情報とは、逆にあまり変化がない情報です。
例えば名前や出身地のような滅多に変わらない情報や、イベントのお知らせなどある一定期間は変わらない情報を、ストック情報と呼びます。

私はこの使い分けを聞いた時に、なるほどなっと思いました。

なぜなら、最近よく「翻訳機vsやさしい日本語」の議論を見掛けたからです。

実際には、両方良いところがあり、両方併用するのが良いと思うのです。
しかし現実は、「やさしい日本語」がそこまで浸透していないことや、AI技術の進歩で翻訳機の精度があがっていることなどの理由で、どうも「やさしい日本語」の部が悪いように思えます。

「やさしい日本語」信者としては、どうしたらやさしい日本語の良さを理解してもらえるかな〜といつも考えているのですが、
この使い分けを説明すると、しっくりくるように思います。

翻訳機には、ストック情報を正確に訳してもらう方で腕を磨いてもらいます。
AIは、大量のデータから学ぶわけですから、翻訳は割に向いていると思います。

一方で、フロー情報では「やさしい日本語」を使います。その場でパッと伝えるだけのことを、わざわざ「あってるかな?間違ってるかな?」とドキドキしながら外国語を使う必要はありません。

それに、伝える内容や理解できる日本語のレベルは人それぞれですから、その都度調整出来るという意味でも、「やさしい日本語」は効果的だと思います。

VS or And

このように「やさしい日本語」と翻訳機はVSするものではなく、一緒に併用することでより効果が高まると言うAndの関係です。
そのため、どちらかが優れているとかどちらが勝っているなどの議論は、あまり意味がないと思っています。
また多文化共生と言う外国人を語る上でよく使われる来年からしても、1つだけが正解と言うのは何かおかしいような気がします。
(詳しくは私が書いた「違和感。」と言うノートを見てください。)

ただ、何よりも

今後たくさんの外国人の方が日本に関わってくると考えられます。その外国人の人が日本を好きになるかどうかは、日本人の私たちの接し方にかかってきます。

その方法はどのような方法でも良いと思っています。

何より、伝えたいことが伝わることが大事です。
ですから皆さんも、思い思いの方法で、隣に住む外国人の方々と関わってみてはいかがでしょうか。

「やさしい日本語」信者としては、
ぜひ「やさしい日本語」を使ってみてほしいと思っています!

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