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『パトリツィア 日本語版』紹介

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『パトリツィア 日本語版』
 プレイ人数:2~5人
 プレイ時間:45分
 対象年齢 :10歳以上

こんにちは、コロコロ堂代表の岩井です。
私の大好きなゲームデザイナーであるミヒャエル・シャハト氏と連絡を取り始めて早1年少し、ようやく『パトリツィア 日本語版』が完成して手元に届きました!(ゲームマーケット2021秋にて先行販売。一般発売は12月8日を予定しています。)

2007年に発売されたゲームですので、初めて名前を聞いた方も、遊んだことはあるけど買えなかったという方も、既に原語版(Patrizier)をお持ちの方も、それぞれいらっしゃるかと思います。

発売の告知以降、(主にSNS上で)いろんな感想や、意見や、質問をいただいたり見かけたりしましたが、

・日本語版と原語版の違いは?
・既に原語版を持っているけど、買い替えるべき? 

この2点についてのものが多くありました。
購入した方が後になって、後悔した...ということにならないように情報を事前に出しておきたいと思い、急いで記事を書くことにしました。

今回はゲーム内容の紹介というよりも、
"すでにパトリツィアを知っている方 & 原版を持っている方"
に向けた紹介記事になります(ゲーム内容も紹介したいのですが急ぎのためこちらを先にお知らせすることにしました、すみません...!)

すぐに内容を知りたい方は、hal_99さんのこちらの動画が大変分かりやすいのでオススメです!!!


日本語版と原語版の違い

① 「代議員」「使者」の2種類のミニ拡張が含まれている

この2つのミニ拡張は、元々PnP版としてシャハト氏のホームページに公開されているものです。ルールにいくつか曖昧な点があったため日本語化と同時に明確化していますが、ルール自体に変更はありません。
内容をざっとご紹介します!

ミニ拡張:代議員

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上段にあるのが代議員タイル(大)、下段にあるのが代議員タイル(小)

ゲーム終了時に、代議員タイル(小)に示されている種類のチップを最も多く持っていたプレイヤーがそのタイルを獲得します(枚数で勝負!)
代議員タイル(小)は、点数計算時に好きな肖像画1枚として扱えます。端数が出にくくなります。

代議員タイル(大)は、示されている3都市のチップの勝利点の合計が最も高いプレイヤーがタイルを獲得します(点数で勝負!)
代議員タイル(大)は、計算計算時に、すべての肖像画1枚として扱える便利なタイルです。噛み合っていれば得点が急に伸びます。

ここからは私の感想ですが、「代議員」を入れた時と入れなかった時とのプレイ感は、ほとんど変わらない印象でした。ただ、他のプレイヤーの出方が分からない序盤についてはこれが一つの道標になったので、要素は増えますがむしろ取っ掛かりがあって考えやすくなった感じでしょうか...?
(良い悪いは別として)薄味のルールだとは思います。

ミニ拡張:使者

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上の画像の都市と都市の間に置かれてるのが「使者タイル」です。
これを1枚か2枚(人数による)手に持ってゲームを開始します。

ゲーム中、"ここは勝てそうだな"と思う都市が出てきたら、そこに向けて「使者タイル」を置いてみてください。使者タイルが向けられた都市からチップを獲得するプレイヤーは、追加で2点もらえます!(紋章チップに加えて、2点チップを追加で受け取ります)。自分だけじゃなく、他プレイヤーの得点を増やしてしまうかもしれないので気を付けましょう!

もし、ある都市に使者タイルが2枚隣接していれば追加で4点得られることになります!(本来の紋章チップの点数より多くなることもしばしば...)

ただしこの使者タイル、いつでも置けるわけではありません。
初期カード(※のようなマークがついている最初の手札)をプレイしたタイミングでしか置けないというルールがあるため、「その初期カードをプレイしたいタイミング」と「使者タイルを置きたいタイミング」がなかなか噛み合わないという状況が生まれ、カードの選択が更に悩ましくなります。

シンプルで美しいパトリツィアのルールはそのままに、また少し違ったプレイ感が楽しめます。個人的には、最初はミニ拡張なしで楽しんでいただきたい気持ちが強いですが、2回目以降に遊ぶ拡張として大変オススメです。


②ボードに「使者タイル」のためのスペースが示されている

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「使者」を入れると、ボード上に使者タイルを置くことになるので、そのスペースが分かりやすいようにしました。


③塔コマの個数が少し増えている

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塔コマは5色あり、それぞれ
「白・黒」  が39個
「赤・青・黄」が29個です。

2人プレイの時には変わらず「白・黒」限定なのですが、3人以上プレイの時には好きな色を使えるようになりました。
(原版は3人プレイ時に「白・黒・赤」で限定されていました。)

全部39個にすればいいのに、という方もいらっしゃるかもしれませんが、箱の大きさとコストの関係で叶いませんでした...すみません。


他の違いとしては、工場の変更に伴って色が若干変わっていたり、箱の手触り(個人的にはとても気に入っています)が変わっていたりします。
箱やルールが日本語になっている、という当たり前の点を除けば、大きな違いは上に挙げた3点ぐらいかと思います。

ちなみに、ルールの変更はありません!
(この美しいルールに対して変更の提案をしようとも思いませんでした)


既に原語版を持っているけど、買い替えるべき? 


発売元がコメントするのはもしかすると少し変なことかもしれないのですが、いちゲーマーの目線から素直な意見を書いてみます。

上でご紹介したミニ拡張2種が入っている、という点を除けば、

・アートワークはそのまま
・ルールもそのまま
・言語依存ほぼ無し(ボードの外国語表記は日本語版でも同様です)

ですので、変更点はほぼありません。
またミニ拡張については、現在もシャハト氏のホームページにルールが公開されておりますので(プリントして切ったりする作業はありますが)どなたでも無料で追加して遊べます。

ですので、私含めたコロコロ堂スタッフが「絶対買い替えたほうが良いですよ!」と強く言うことは無いかなと思います。
ミニ拡張を製品版で遊びたいという方、3人プレイで青色や黄色の木駒を使いたい!という方は是非ご検討ください!

しかしながら、パトリツィアは、"今日初めてボードゲームを遊ぶ"という方にも手が届くルール量でありながら、それでいて手練れのゲーマーを退屈させない刺激があり、そういう意味では色んな方が入り混じって遊ぶのに非常に適した中量級タイトルだと思ってます。

ボードゲームカフェ「コロコロ堂」でも活躍の機会が多いゲームでしたので、お持ちでない方は日本語版が発売されたこの機会に、ご検討いただけると嬉しいです。


お詫び


最後になりますが、検品作業をしている中で、事前にお知らせすべきだと思われる点がございましたので、こちらに記させていただきます。

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 ① タイルの印刷ズレ
 ② タイルを打ち抜きにくい

①について、上の画像のような程度のズレが多く見られました。
通常より多く予備を確保したうえで、希望される方への交換対応をさせていただく予定ですが、想定を上回る個数だった場合は(生産のため)数ヶ月ほどお待ちいただく可能性がございます。

②の打ち抜きについては画像では表現しづらいのですが、台紙とのカットが不十分な個所があり、力を入れないと取り外せないことがありました。

楽しみにしてくださっている方も多い中でこういったご連絡をすることになり大変恐縮ですが、ご理解のうえご検討いただけますと幸いです。

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