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古いレコード 1973年日本語のロックを聴きだした時代

日本語のロックの黎明期
 私は音楽評論家ではなくあくまでもリスナーだ。
だから音楽の好き嫌いは、当時自分達を取り巻く環境から多大なる影響を受けている。音楽はその時代が色濃く反映している。そして色々な記憶がごちゃ混ぜになって思い出の曲となる。

 1970年代、私が中学生から高校生、浪人生の間の10年間だ。正に10代ど真ん中の時代だった。
 1960年代は学生運動が盛んだったが、1970年初頭は終焉期だった。それでも先輩達の大騒ぎで、進学した都立の高校では詰め襟は任意となり私服通学可になっていた。髪も髭も伸ばし放題だった。

 そんな私、高校生になるとオートバイが自分の生活の一部だった。
ナナハン(ホンダCB750)ライダーとなり、土曜の夜のうるさい天使達になっていた。
 一方音楽は、高校生まではラジオやステレオで聴くものだった。
カセットデッキ、ウォークマンは1979年以降急速に普及するアイテムだ。

 そんな私、特にアメリカの大衆音楽が好きだった。そこにはアメリカのポップカルチャーの香りがした。
最新のアメリカのヒットチャートを聴くにはAMラジオ FEN(極東放送)があった。あの独特の音質、こもった音が懐かしい。
FEN(Far East Network=極東放送網)は横田基地の米軍に設置されたラジオ局。生の英語とその当時のアメリカの音楽が聴けた。
野太い声、気の利いたトークで人気のDJウルフマン・ジャックもFENで知った。
たまにあるヨウコの日本語講座が面白い。
「Today is Wednesday」 「今日は水曜日です」そのイントネーションが独特で頭に残っていた。ラジオの英語講座にも使われたので、覚えている年配者も多いと思う。

 日本のロックもようやく目覚めた時代だったが、ほとんどが洋楽の真似だった。
そこに、ある種の思想なのか、日本語のフォークソングの流れから日本文化を意識した日本語のロックを目指すバンドが出現した。

 アメリカもいいけど日本製バイクに心頭していた私は、偶然、「はっぴいえんど」の曲をFMラジオで聴き、ぶっ飛んだ。
日本語のロック、まずは「はっぴいえんど」だ。

はっぴいえんど 風街ろまん 1971年リリース 
 購入したのは少し遅く、1973年、高校1年の時だった。FM東京で初めて聴き衝撃を受けて、レコード店に走った。
かなり聴いたので、レコードはボロボロだ。アナログレコードは痛む、へたる。
この頃「はっぴいえんど」はもう解散に近い時期で、ライブは一度行っただけだった。
そのライブで、バックコーラスの中にシュガーベイブのメンバーと山下達郎を見た記憶がある。ロン毛の凄い声量の兄ちゃんだったのを覚えている。

風街ろまん 
見開きの路面電車

大瀧詠一 ファーストアルバム大瀧詠一 1972年リリース
 「はっぴいえんど」 風街ろまんは、メンバー3人がそれぞれ曲を提供して歌っていた。
細野晴臣 大瀧詠一 鈴木茂 松本隆。
ポール  ジヨン ジョージ リンゴ ビートルズの立ち位置みたいだった。
好みとしては別れるところだ。

 大瀧詠一さんは当時としては、傑出したアメリカの音楽マニアだった。
それが結集したアルバムだ。個人的には最高傑作。後のロングバケーションはその中の一つのジャンルだと思う。

大瀧詠一ソロアルバム
福生に住んでいた時代 細野さんが横田基地のフェスで遊んでいる時代

鈴木茂 バンドワゴン 1974年リリース 
 解散後、「はっぴいえんど」のメンバーは単独アルバムを次々だしていた。
鈴木茂さんのファーストアルバムは、これも凄かった。音がアメリカだ。
当時のウエストコーストサウンド、リトルフィートみたいだった。
当初鈴木茂さんのボーカルに違和感を感じたが、だんだんハマっていった。歌詞が頭にこびりつくほどいい。
当然ボロボロになった。松本隆さんの歌詞が特に素晴らしい。才能開花だ。

バンドワゴン
リリースノートだ

四人囃子 一色即発   1974年リリース  
 レコード棚から取ってしまった。かなり路線が変わるが、当時の空気感として四人囃子も衝撃だった。当然日本語の歌詞だ。
これは、日本のプログレ、森園利勝さんのギターが凄いけど、J-POPではないね。
当時自宅の共用のステレオで聴いているので、曲が長いのと音がデカいので、親がいない時に聴くしかなかった。

 この時期、高校2年生、ナナハン(ホンダCB750)に乗っていた時代で、青春全開時代。フルスロットル!
洋楽ではジョニー・ウインター、リック・デリンジャーなどテキサスロックンロール、ブルースを聴いていた。
ちなみに当時、弟がバンドを組んでおり、四人囃子をえらく気に入っていた。これはきっと弟が買ったアルバムだと思う。
あの時代の日本のロックは本当にパワーがあり、日比谷の野音は聖地だった。

怠け者 

シュガーベイブ ソング 1975年リリース 
 当時大瀧詠一さんが素晴らしいと褒めるので買った。
メンバーは「はっぴいえんど」の解散コンサートで、もの凄い声でバックコーラスをしていた髪の長い兄ちゃんがいる。そんな程度の認識しかなかったが、聴くと素晴らしい。大貫妙子さんもいた。
この当時の大貫さんの声が好きだった。
これは日本のポップスだ。大衆音楽だ。アメリカの音楽だ・・とハマった。
だから当然これもボロボロ オリジナルなので綺麗なら高値で売れるだろう。売らないけどね。

ソング 何故じじばば?

山下達郎 サーカスタウン 1976年リリース 
 ついに達郎が単独デビューしました。J-POP? 当時、私の感覚で、これはファンクだと思っていた。
ビートの凄さと、達郎の伸びのある声にビックリ仰天した。ここではブレイクしていなかったが、その後よりファンク色が強くなった「FOR YOU」で人気が爆発した。
しかし、達郎のLPは値段が2万円とか凄いね。でも何時もの通りボロボロだ。

 この後、吉田美奈子、久保田真琴、佐藤博。伊東銀次と貴重なレコードを買っているが、後日紹介したい。

オマケ 吉田美奈子 MIANKO 1975年リリース
アルバムジャケットが綺麗なのでついでに、ダイアナ・ロス風だ。

ダイアナ・ロス的な吉田美奈子


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