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晩年の生き方

人は何時まで生きるのだろう。なんのために生きるのだろう。
宇宙の起源を考えてしまうように、たまに頭に浮かんでくる疑問だ。
それは利己的遺伝子によるものだとか、神の意志だとか、そんな話ではない。じゃあどんな話だと言われても困るが、とにかくそんな不毛な疑問だ。しかし人生は短い、気づいたら子育ても終わっていた。
また、30年以上続けている色々なスポーツもやりきった感もある。
仕事への情熱も、子育てが終わったら消えた。動機付けがそんなものだったのだろう。
私の人生は暇つぶしだったのか、そう言えば、そんな事を言っていた男がいた。(写真は長野県野辺山の電波望遠鏡群)

「人生はただの暇つぶし」
立川談志の言葉だ。彼が本当にそう思っていたのかと疑問はあるが、子供から青年期、家族、友達、恩師、弟子、その全てが暇つぶしのためにあった。まさに人生意味がない。そう言い切るのも人生。ある種の生き方だと思う。
それとも、このまま静かに存在を消していけばいいのか、昔のお偉いさんは隠居とかの選択肢があった。隠居生活。死語に近い。

「老兵は死なず消えゆくのみ」
マッカーサー元帥の名言。政治家とか何処かの社長とかが勇退時に好んで使う言葉だ。
しかし、この手の名言を語る爺さんは、「老兵は死なず消えゆくのみ、でも暗躍はするよ」が本音だろう。
「老害は死なずただ邪魔をするのみ」
人生100年、だから、まだまだ無限の可能性がある。そんなことを言ってるわりには、新型コロナで簡単にやられている。

「第二の人生を謳歌」
実際、そんなものはあるわけない。この歳(私64才)で無限の可能性とか言っても無理がある。若い頃に買えなかった車を買うとか、旅行へいくとか、そんな満たされなかった物欲に再び火を灯す言葉。金のある老人向けのセールストークだろう。
そんなモノのため、何十年も苦労して生きてきたのかと思ってしまう。
また、カフェ、蕎麦屋を開くとか、商売好きならいいけど、そんなことが人生の最後の姿なのかと疑問に思ってしまう。異論はあると思うけど、そういう考え方を私はする。

晩年を汚す
過去から流れる時間の結果として現在があり、自分がある。それをリセットは出来ない。人生は1本の線(時間)で繋がっている。
人は何時死んでもいいように生きることが必要だ。でも、どんどん無駄に時間は過ぎ去っていく、だから人は悩む。そして結論の出ないまま死ぬのだろう。
立川談志が歳をとってから、自分の歴史を見返して、暇つぶしだと言えるのは、人生に対する諦観があったのだろう。晩年を汚さないことも一つの生き方、大切にしたい。

一方、若い頃に運良く何かを成し遂げた人の中に、晩年が醜悪になる人もいる。成功しようがお金を得ようが、時間は平等に過ぎて行く。人生に結論は出ない、最終地点は死だ。でも無敵感があるのか、悪あがきがをする。それが醜悪に見えるのだろう。

スポーツを続ける事
86歳アイアンマン・トライアスロン世界王者 稲田弘さんの話。
自分のようにスポーツを続ける事で救われている先輩の人生を見てみよう。

2018年 86才でIRONMAN World Championship KONA で最高齢完走者となっている稲田さん。
経歴としては、奥さんの不治の病のため、60才で仕事を辞めた。介護の疲れを癒やすためだと思うが、水泳を60才から始めた。そして一人になり、70才でトライアスロンに初参加する。今は88才、2021年1月29日の記事では、まだ現役。ギネス記録だとか言うから凄い。

稲田さんは、70才からトライアスロンを始めているので、18年目となる。その歳でよく始められると不思議に思うけど、元大学の山岳部出身だし、スイムは60才からマスター選手となっている。流れとしては、そんなに突然ではない。また、一人ぼっちの人生の時間を埋めるには練習量の膨大なトライアスロンはうってつけだと思う。
また、その後も選手として活躍しているので、トライアスロンを続ける動機となる。それでも練習はとてつもなく苦しいはずだ。

私はトライアスロンを30才から始めたので、昨年はコロナ禍で出ていないが、今年で35年目となる。
マンネリどころか、なんで、まだ止めてないのか、理由が分からない状況だ。ほとんど続ける動機が無い。それでも、性(さが)なのか、稲田さんの練習記事に反応している自分がいる。
------抜粋
年齢とともに体力と判断力は落ちてきますが、それを補うように体幹とバランスのトレーニング強度は逆に上げていくんです。稲田さんも年々強度が高くなっていきます。
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私も64才で、それを実感している。だから体幹とバランスのトレーニングとして、サーフスケートを2年前から始めている。

紹介リンク

老人にとって、スポーツとは自己満足と、生きていることを確認出来る趣味だ。また勝負ごとが好きな人は勝つことで、生きがいも感じる。それとスポーツ本来の楽しさもある。
晩年もスポーツをやり続けるのは、悪くない選択だと思う。ただ、老化というものがある。何時かは何も出来なくなる日もくる。それで満足出来るかだ。

そうか、今の自分にとって大切なことは、スポーツを続けることか、いや家族を大切にすることだろう。
あれ、また迷宮入りした。




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