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オオクワガタの繁殖の記憶

野性のオオクワガタ

初めて繁殖させたオオクワガタ

息子小学校3年、娘1が年長さんの頃、横浜の団地に住んでいた。そこは横浜のチベットと言われるほどの田舎で、団地の裏は里山が何キロも広がっていた。
夏になると明け方のヒグラシの合唱で目を覚ますほどだ。家の中で、飛び蜘蛛、セイタカアシダカ蜘蛛、ゲジ、カブトムシ、スズメバチなどを発見する。
家にエアコンが無く、窓を解放していた。自宅は野性の王国だった。

当然、裏の雑木林ではクワガタもカブトムシも捕れる。
そんなある日、よくクワガタの捕れる木で、待ち伏せをしていた娘1、息子がなんと、小さいが、オオクワガタ(オス)を捕まえた。

「野性のオオクワガタ!」
神奈川でもいるのか、流石僻地、驚きだった。

これは是非繁殖させたい。
そして夏休み、山梨にキャンプ場に行く途中、農家で売っていたオオクワガタのメス(大きい)を購入した。
山梨の笛吹川沿いはオオクワガタの有名な産地だ。

繁殖
卵を産ますため、つがいにして、水に1週間浸けあく抜きした、太いクヌギの木を入れる。それを虫マットで包む、オオクワガタが卵を産む朽ち木のような状態にしている。

メスとオスは1対にする

2週間後、クヌギを取り出して割る。すると、小さな幼虫を発見する。
「本当に産むんだ」少々驚く。

次に、和歌山県の生産者から配合の素晴らしいという菌糸瓶を購入する。幼虫は一瓶に1匹入れる。菌糸瓶で幼虫はどんどん大きくなる。
目安として、大きなオスだと3瓶使う。1瓶 800円する。

W:野性 F:養殖 数字は世代

今回の組み合わせはW0(野性)とF1(野性からの繁殖で1代目)
なんだか子沢山、32個の卵を得た。それを菌糸で育てたことになる。羽化するのは1年後の6月くらいからだ。その間、暗所で一定温度にして飼育する。温室などない。自室にラックを組みそこに保管した。

菌糸瓶の交換は、幼虫にやらせる、瓶の口をガムテープで繋ぎ、移るのを待つ。
大きな幼虫は、カブトムシくらいになった。期待大だ。
養殖でもオスの80mm越のサイズは稀だ。75mm越えれば、名ブリーダーだと言う。
昔は80mm越した個体は10万円した。

温度管理が原因か菌糸瓶からキノコが大量に育ってしまい、部屋中に白い菌糸をぶちまけたという失敗はあった。それは家族中大騒ぎだった。
それでもなんとなく全て成虫となった。
70mm以上の雄も10匹近く羽化した。凄い成果だった。

これで勢いついた私はさらに大きい物を作ろうと思い、羽化したなかでも大きい雄雌を交尾させ2年目の飼育に入った。
しかし、生物を扱うのは難しかった。
子供同士の近親交配のため、翌年、羽化不全が2割以上でた。また性格の異常(やたら攻撃的)なものが2割。

70mm越たオス

繁殖を止めた
ここで、また新しい成虫を購入して、再挑戦などという気持ちはおきなかった。
犬でも人気犬種が強引なブリーディングのため、性格の異常(これも攻撃的)、病気になるとか、奇形とか色々問題をだしている。
身勝手な繁殖はやはり問題が多い。
その結果に気持ちが萎える。角が変形、羽が飛び出す、おかしいな形のオオクワガタを飼育したが、それは悲しい。

とは言え、その後もノコギリクワガタの繁殖、カナヘビの繁殖とか、懲りずに手を出して成功したが、怖いので2度目はない。近所の子供達にあげて終わり。チビカナヘビは可愛いかった。

大きなノコギリクワガタ


これも大きめなコクワガタ

そう言えば、オオクワガタをあげた近所の子供のお母さんが、子供が獲ってきた小さいクワガタ、餌をあげても全然大きくならないと私に相談してきた。
面倒なので「そういう種類もありますよ」と答えた。



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