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コロ物語 犬との生活(出会い)

<引っ越し>
2002年4月、結婚してから10年経ちました。その間なんとかお金も貯めました。そして離れていた地元に、ようやく一戸建を購入しました。当然ローンはあります。35年です。(W)
家族は妻と子供3人。久しぶりの地元は変わっていませんでした。
東京でも多摩地区と言われる地域です。区民には田舎呼ばわりされているような所です。反論はないです、実際に田舎ですからね。

例えとして、ハロウィンより、盆踊りで盛り上がる。クリスマスツリーも飾るけど、お正月に門松は必ず飾っている。そんな家が多いのです。また、未だにカブトムシもクワガタも庭に飛んできたりします。
2020年の今、宅地がだいぶんと増え、大きな農家や屋敷は減り、私達の住むような一戸建てが増えましたが、カブトムシは未だに飛んで来ます。

さて、引っ越しも終わり、子供達も地元の小学校へ転校を済ませました。長男が小学校4年、長女が小学校1年、末子の娘ですが、子供の多い地域だったので、幼稚園の空きがなかったのですが、隣の家の方の紹介で、なんとか年少へ入園しました。
私と言えば、20年勤続した会社を辞めて、失業保険暮らしです。
「家のローンも抱えてどうするつもり」と言う状況でした。しかし、これは計画通りの失業で、この時期は日々新しい会社の土台を作っていました。
1年後、予定通り新しい会社に就職し、仕事に忙殺されつつも、新しい環境に軌道が乗り一安心となりました。

<犬を探す>
「よーし、家のローンと子供の教育費の心配はあるが、一応新生活のスタートだ!」
そうなると次の野望は犬を飼うことでした。
子供の頃から大学生まで、実家で犬を飼い続けていた私は、環境が整えば犬を飼いたいと常々思っていました。妻も実家では、犬と猫を飼っていたので、特に反対はありません。
さて、私にとって犬とは、愛玩犬と言うより、番犬として外飼し、朝夕は散歩する犬です。
ちなみに、この時点で犬種は決めてはいません。

私の子供の頃、犬は隣近所から貰うか、拾うものでした。まだ野犬もいる時代です。
今はホームセンターで飼うしかないのか、それでいいのかと思って悩んでいました。
生き物を飼うのは縁が大事、一生飼育するとなると運命的な出会いがないと、動機付けが薄くなってしまいます。電化製品ではないのです。私はやや途方にくれていました。

そんなある日、私が犬を探していることを転職した社長に話をしました。
すると、社長のTさんは昔、柴犬の犬舎(日本風のブリーダー)を持っていたほどの犬マニアだったのです。現在、犬舎は閉じていますが、名前はまだ持っています。
「犬か、それなら柴犬にしろ」Tさん。
「でも、何処で手に入れればいいのですか」
「近場の犬舎を当たればいい」
「犬舎?・・・」
「日本犬保存会で聞いてみろ」
と色々と話を聞いたあと、季節は4月末、犬の繁殖期なので、ここで探さないといい犬は手に入れにくいと言われ、とにかく行動を起こしました。

<柴犬との出会い>
日本犬保存会は敷居が高そうなので、「柴犬犬舎」をキーワードでWin95のパソコンを使いインターネットで探してみますと、埼玉の川越市の犬舎で1匹譲るとあるのを発見しました。
電話でTさんに話します。
「川越なら、近所だ、住所は?」と私が住所を言いますと、たまたま在宅中だったので、
「何!近くだ、今見に行ってくる」と言って電話を切ってしまいました。相変わらず気が短いおっさんです。
Tさんは愛車のBMWを走らせて、その犬舎を訪問したようです。
直ぐに携帯に電話がありました。その場でかけているようです。
「池ちゃん、いい犬だったよ、雄だ。いるか、今ここで回答するぞ」相変わらずの気の早さですが、仕事でもこの調子で、物事がいい方向へ向いています。また私が犬の評価を出来るわけもないのです。ここはTさんを信じました。
「はい、買います」私は返事をしました。
とにかくこの頃は家の購入、転職、その他勝負的な決めごとが多発していました。
「決断は素早く」かな?

その週の末、私はTさんと一緒に子犬を見に川越へ行きました。赤(枯れ芝の色)に黒い鼻とくりくりした目、身体はころころして可愛い。
「今、生後30日だから、20日後くらいに受け取れるかな」Tさん
「えっ、そんなに待つのですか?」
実は、母犬に60日間くらい育っててもらい、予防注射も打ち、日本犬保存会に登録してから譲渡するそうです。

後日談ですが、飼い主の適正もある程度考慮されるそうです。差別ではないけど、若い独身者、特に女性の一人暮らしとか、将来の安定した飼育の可能性が低いと推測されると、お断りするとかあるそうです。
また、ペットショップでは、生後30日くらいの一番可愛い頃に売られていますが、出来れば犬舎で、母犬からのきちんとした躾を受け、また免疫的に母乳を十分に授乳後、もらい受ける方が犬の育成にはいいそうです。
その日は一応譲り受けるためのお金を渡して帰りました。

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<犬が来た>
その後20日間、私は子犬を受け入れるための準備をしました。私と妻も楽しいですが、子供達はさらに大喜です。
日曜日、子犬を貰いに行きます。
川越の犬舎は農家です。そして、今年の春に産まれた子犬は1匹だけだったそうです。
母犬とじゃれる子犬を引きはがしって持って帰るのに少し罪悪感もありましたが、いつかは親離れしないといけない、私と子供達もいつかは通る道です。

さて、自宅に連れて帰って、子犬をいれていたゲージを玄関に置くと、子供達が集まり、抱きたい、抱きたいと迫ってきますが、移動も含めてストレスがあるので、それは駄目といいました。初日、水は少し飲みましたが、餌は食べません。やはりストレスがあるようです。

夜中、玄関から「きゅーん、きゅーん」と泣声が聞こえてきます。
犬舎の主人がかわいそうでも、ここで部屋に入れたり、抱っこして寝たりはしないように注意されました。泣けば、なんでも要求が通るという悪癖がつくというのです。
ここは、我慢ですが、娘二人はパジャマ姿で玄関に座っています。
「まあ、しょうがないかぁ」
そして、犬のいる生活の1日目が過ぎて行きます。

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