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標高3100mの快適なアコモデーション(713文字)

氷河ってなに?
氷の川ってどういうこと?
凍っているんだから、流れないんじゃないの?
かつて抱いていた疑問。

長い時間をかけて凍ったまま
険しい山を滑り降りていくか…
それが分かってからも実際に自分の目で見てみたかった。

その願いは、標高3130メートルにあるスイスのゴルナーグラートで
叶った。
もう10年以上昔の話だけれど。

登山鉄道の終点駅で降りれば、もうそこはゴルナーグラート。
氷河を見るのに、危険で辛い登山は必要ないなんて…便利過ぎる。
目の前には氷河のある風景が広がっていた。

夏休みの旅行。
季節は真夏。
それでも雪が散らついていて、
ユニクロのウルトラライトダウンが重宝した。

ここでは一年中スキーが楽しめるらしい。
山頂からイタリア側に行ってもスキー場があるようだった。
板を担いで乗り換えていく人も見かけた。
いいなぁ、いつかマッターホルンで滑ってみたい…
でも、スケールが大き過ぎて怖いかもな〜
などと思いつつ、氷河を眺める。

自然は美しい。
自然は力強い。
そして偉大。
何ひとつ動くものがないその景色は、
それでも飽きることはなかった。
圧倒されたのかもしれない。

しばらく眺望を楽しむと、お手洗いが恋しくなってきた。
展望台のすぐ近くにあるホテルに行くと、ショップやレストランがあり、当然お手洗いもある。
空調も効いているし、アルプスの山の上にあるとは思えない清潔感と快適さ。
どうやって建築資材を運んだんだろうなどと、どうでもいいことまで考えてしまった。

登山鉄道と氷河が目の前にあるホテル。
観光立国スイスの見事なおもてなし。
おかげで、何ひとつ不自由なく念願の氷河の絶景を満喫することが出来た。

自然は美しい。
自然は力強い。偉大。
そして人類の進化もまた天晴れだ。

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