「そんなことってある?~またコロナに潰された~」(さすがに疲れた母)
そして、六年生にとってはこれで最後の演技。
何回も繰り返し練習をした。寒い冬も、体育館の窓を開けて換気して、練習が終わればドアや壁を消毒して。
年末からまたコロナ感染者が増え、レベルが上がり学校の体育館が使えなくなった。
練習ができない。
雪も降り始め外でも練習が難しい。
みんながいない。
モチベーションが上がらない。
出演の日をずらしてもらって、4月の発表に向けてようやく使えるようになった社会体育館で練習を重ねた。
そして、当日。
今日で6年生は最後の日。
朝から衣装や髪型、メイクをして、出掛けた。リハーサルも入れれば1日がかりだ。
親ばかり緊張していて、子どもたちは相変わらずの元気な様子に、大丈夫かと不安にもなる。
笑顔で頑張れと見送り、会場へ。
いよいよパフォーマンスという時、コートの真ん中に誰かが立った。
選手が朝から発熱。
検査をしたりした中で、結果は出ていないがコロナの疑いがある。
今日の試合は中止です
今日の試合は中止です
中止です
中止です
慌てて控え室へ行くとみんな、呆然としている。
え、、
なに?
こんなこと、ある?
魂の抜けたようなフワフワした気持ちで帰りの車から見える景色は夢の中のような不思議な感じがした。
気温は26℃まで上がっていた。
桜が咲き始めていた。
私たちは生活の中の何かを
あと何回コロナで犠牲にすればいいんだろう
誰が感染したの?
何なんだよ
そんな声は無かった。
ただ、
またコロナ、、
やるせない気持ちの行き場がない。
「次」はあるの?
「次」はいつ?
本当にできる?
メンバーもコロナにならず全員揃う?
先の見えない不安ばかりが頭をよぎる。
仕方ないよね
この数年で子どもに何回この言葉を言っただろう。
おばあちゃんに会えないの仕方ないね
修学旅行、運動会、音楽会、なくなったの仕方ないね
人が集まるからね、仕方ないね
仕方ない、仕方ない
誰も責められないけれど、
誰からも安心をもらえない。
どうか子どもたちが大きくなった時、
小さなことでも
仕方ない とすぐに諦めるばかりの人間になりませんように。
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