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算数科授業研究「2学年:三角形と四角形」

9月29日(金)2年2組で,算数科第2回授業研究会を行いました。
「さんかくやしかくの形をしらべよう」の単元の2時目で,
「三角形ってどんな形」かを考える授業です。
25日(月)には1組で,27日(水)には3組でも協力研究を行い,
子どもの思考の流れに沿った指導のあり方を,学年全体で研究しました。

はじめに,「形くじ引き」というゲームで導入しました。
事前研究会で,「長方形」だった台紙を「円」に変更しました。
この年代の子どもたちは,「さんかく」を少し傾けるだけで「ダイヤ」と別の形にとらえたりします。
台紙を「円形」にすることで,いろんな置き方(見方)が自然にできるようになり,図形に対する豊かな感覚を養おうと考えました。

何人かの児童が,くじを引いていくと,「分かった!きっとあれが当たりだ!」と予想するようになりました。

そこで,「なぜこの形が当たりだと思う?」と問うと,
「さんかくが当たりだから!」という意見が多数になりました。

そこで,「さんかく」の正しい名前「三角形」を知り,
三角形ってどんな形って言えばいいか考えよう?」というめあてを立てました。

子どもたちからは,
角が3個ある」「3本の直線でできている」
などの意見が出され,「直線?線ではダメ?」とたずねると
「絶対,直線!きれいな線じゃないと。」という反応。

そこで,「じゃあ これは?」と,直線でない線が含まれる図形を示すと,
「直線じゃなくて,ぐにゃっとしているからダメ」「ピンとしていない
など,みんな「直線」が大切であることに納得しました。
いわゆる「non Aの強調」という手法で,Aを知ろうとするとき,Aでないものとの違いを明確にすることで,Aの本質を深く理解することができます。

他にも「non A」を2つ示すと,
かどがない」「穴が開いている」「線が最後までつながっていない」など,三角形の定義や性質が明確になってきました。

そこで,「自分の考えを書いてみよう」とワークシートを渡し,自分の考えをまとめていきました。

自分の考えはタブレット(ロイロノート)で送信し,友だちの考えと比較します。

かどが3つある形」と「3本の直線でできた形」といった子が多く,「線がつながっている」という意見も。

3組と2組では,ここで「nonA」の図形を示し,「かどが3つ」だけでは定義できないこと,「3本の直線」だけでも説明できない図形があることを知り「3本の直線でかこんだ形」を三角形と定義しました。

同じゲームによる導入という「教材との出あわせ方の工夫」も,「nonAの強調」も,授業の組み立て方,子どもの反応や意見の取り上げ方で,展開は大きく異なることも改めて痛感しました。

授業後には,事後研究会を行い,研究テーマに迫る手立てについて,小グループで活発な話し合いが行われました。

各グループでの話し合いを「KJ法」で整理し,全体で共有し学びを深めていきました。

最後に,福島大学人間発達文化学類同窓吾峰会郡山支部総務部長(元 県中教育事務所 業務次長)の 武藤 公夫 様 にご指導いただきました。

本時のねらいを達成するための「手立て」も,ちょっとした工夫や子どもの意見の取り上げ方でその効果が大きく変わることや,子どもの思考の流れに沿った学びのコーディネートの大切さ・難しさを実感しました。

私たちは,まだまだ研究の途上……,これからも教員相互の学びを深めていきます。


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